たいむぽっかんの2013がっつりシネトーク!!
2013年もたくさんの映画ありがと!特集
●3D映画 編
『パイ』と『セログラ』の3Dクオリティはトリハダ級!
一方、邦画3Dは「ほぼ終了」のお知らせ
私はメガネ ON メガネなので、3D映画はクリップ式メガネが使えるrealD、もしくはマスターイメージ方式で観ることにしてますが、本気で3Dを楽しみたい場合はIMAXを利用してます。昨年、IMAX3Dで観た作品は『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』『アイアンマン3』『G.I.ジョー バック2リベンジ』『パシフィック・リム』『オズ はじまりの戦い』『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の6作品。
『ライフ・オブ・パイ』の3Dはトリハダモノの感動クオリティ。劇場で体感して良かったと心の底から思った作品で、IMAXで2回観たのはコレが初めて。
ただ、ブルーレイ3Dで観直してもIMAX3Dで得た深~~い感動は再現できませんでした(BDもしっかり飛び出して奥行感も文句なしですけどね)。そもそも劇場の3DとBDの3Dは作りが根本的に違いますからこれはしゃーないことですけど。
『パシフィック・リム』は3Dの興奮よりもKAIJUバトル的興奮度のほうが圧倒的なので、3回目の鑑賞でやっと3Dを意識しながら鑑賞。イェーガーとKAIJUの「どでかい感」をよりワンダホー!なものにしてくれた3Dは特筆モノです。
作品評価は今ひとつの『オズ はじまりの戦い』は、観客がオズの国に入りこむには3Dはうってつけのアイテムで、グリンダが出す魔法の煙のモクモク感が実に素晴らしかった。
一部IMAXカメラで撮影された『スター・トレック イントゥ・ダークネス』はエンタープライズ号の巨大感を実感できたし、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』は機械仕掛けのサイ野郎が大暴れするシーンの3Dが実に楽しかったし、『ジャックと天空の巨人』は天高く伸びる豆の木や巨人の「どでかい感」も3Dでより強調されていました。
3D料金を払ってまで観る価値があるとは到底いえないヘッポコ3D映画が多い中、年のシメに登場したのがジェームズ・キャメロン監督お墨付きの『ゼロ・グラビティ』。先日、船橋TOHOシネマズのTCX+ドルビーアトモスで挑んできましたが、評判通り、宇宙空間に放り込まれるような圧倒的な臨場感が味わえ、もう圧巻の一言。ため息モノでしたわ・・・・。
劇場で体感してこそ!という作品ってそんなに巡り逢えないけど、本作はあと2回ぐらいは観る予定。
これから観に行く人はなるべく前の席で、視野角ギリギリで観たほうが臨場感高めで楽しめます。
一方、日本映画は、コストがやたらとかかるわりには客足が今ひとつ伸びない3Dに見切りをつけたのか、2012年以上に本数が減少し、3D映画市場はほぼ終了。『貞子3D2』ぐらいしか観るべきものがなく(そもそも劇場で観るべき映画なのかも微妙だが
)、英勉監督の3D演出力は前作と同じようなコケおどしレベルで、一番立体感があったところって、本編開始前にスマ4Dの扱い方を解説する男のでっかい顔だけ、というね。
それってどーよ?
こちらもジェームズ・キャメロン監督のお墨付き(らしい)『キャプテンハーロック』はあまりにリアルなCG造形が逆に違和感アリすぎて、3Dを堪能する余裕はなかったです。それ以前にお話がね・・・・。3000万ドルも費やした本作、日本では大コケしちゃったけど製作費をちゃんと回収できるんでしょうか? ちなみに本作は国際3D協会のルミエール・ジャパン・アワード2013グランプリ受賞作らしい。しかしこの賞、国産3D作品はほぼ死滅状態なのに何の意味があるんだろうか?とか思ったり。
2012年は『タイタニック』『スター・ウォーズ エピソード1』などの旧作が3Dリバイバル上映されたけど、昨年は1本もなし。アメリカでは『オズの魔法使』がIMAX3Dが公開されたのに日本ではBDオンリー。
また、以前から東宝が『ジュラシック・パーク3D』の公開を告知しているにも関わらず、一向に公開される気配がない。まさか『ジュラシック・ワールド』公開まで寝かせるつもりか?
劇場公開に限らず、BDで初3D化というタイトルも増えた。フォックスは『プレデター』『アイ,ロボット』『ジャンパー』を3D商品化。他社も『トップガン』『リトル・マーメイド』『肉の蝋人形』をブルーレイ3D化。新作では、公開時は2Dだった『ゴーストライダー2』『ダーケストアワー 消滅』をBDでは3D版も併録。安くない映画代を払って劇場で観た私を怒らせました。![プンプン]()
逆に3D上映作品がBDでは2Dオンリーという“劣化”作品もあり、『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』『ジャッジ・ドレッド』『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』がなぜか2Dのみ。『ジャッジ・ドレッド』は3Dでないと面白さ50%オフなので困ったもんです。
その他の3D映画
『アイアンマン3』(シリーズ初の3Dだけどあまり効果なし)/『G.I.ジョー バック2リベンジ』(手裏剣が飛んでくるところはオオッ!って感じだったけど、公開延期したほどの3D効果はなく)/『華麗なるギャツビー』(バズ・ラーマン映画と3Dの相性の良さを実感)/『サイレントヒル:リベレーション3D』(別に3Dでなくてもいいです)/『ワールド・ウォー Z』(これも3D感はあまりなく)/『マン・オブ・スティール』(冒頭のクリプトン星や飛翔シーンで3D効果あり)/『ウルヴァリン:SAMURAI』(鋼鉄のツメは飛び出してきませんでした)/『怪盗グルーのミニオン危機一発』(3Dの楽しいアイデアに魅了された1作)/『47 RONIN』(飛び出すドラゴン凛子に期待したが3D力は発揮できず)/『ウォーキング with ダイナソー』『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』『パニック・マーケット3D』(いずれも未見)
●注目作 編
スタローン、シュワ、ジャッキーら
往年の人気スターが80年代アクション映画を回帰
続編でもなく、アメコミ映画でもなく、3D映画でもないけど、決して無視できない力作、秀作、快作も多かった2013年。![にひひ]()
『LOOPER/ルーパー』はタイムトラベルのアイデアを存分に活かし、練られた傑作。昨年7本も公開されたブルース・ウィリス映画の中では間違いなく最もマトモな作品。
サプライズ・ヒットとなった『テッド』は楽しいお下劣コメディだけど、日本向けにアレンジされた町山字幕はもうちょっと何とかならんかったかなあと思ったり。
2作品公開されたトム・クルーズ主演の『アウトロー』と『オブリビオン』はいずれもハイセンスな映像にホレた快作。70年代ハードボイルド映画を意識した前者と、荒廃した近未来を映像美で魅せてくれた後者。
キャスリン・ビグロー監督の海兵隊バンザイ映画『ゼロ・ダーク・サーティ』はあまり日本ウケしなかったけど、『ハート・ロッカー』よりかは共感できる部分が多かった力作。あそこまで骨太なアーミー演出ができる女性監督は他にいないでしょう。
『フライト』は宣伝に騙され、初見時はあまりピンとこなかったけど、BDで何度か観直すうちに米国社会に蔓延る根深い問題に気づかされ、後々になって評価が上がった作品。
『ジャンゴ 繋がれざる者』はタラちゃんの映画愛&映画知識にあふれた作品。
映画愛に満ちた作品といえば『キャビン』もそうで、80年代ホラー映画の「あるある大事典」と意表を突いたブッとびエンディングにニンマリ。
70~80年代ホラー映画のイイトコどりをしたジェームズ・ワン監督の『死霊館』は『インシディアス』よりもずっと上出来なホラー。あれこそ劇場の大音響で体験してこそビビりまくれるホラーなのに、配給のワーナーが『R100』を拡大公開するという興行のヨミを完全に誤ったせいで、『死霊館』は大して話題にもならず公開終了。マジ、担当者は縛り首もんです。
『クロニクル』はサプライズな出来に嬉しくなった快作。これももっと拡大公開しても良かったと思ったけどねー。
『エンド・オブ・ホワイトハウス』VS『ホワイトハウス・ダウン』のホワイトハウス映画対決では、マジメに面白がらせてくれたという意味では『エンド~』のほうが上出来なのだが、アクションの見せ場では『~ダウン』のほうが軍配が上がるという感じで、それぞれに一長一短あり。世間の評価も「どっちもどっち」という感じだけど、個人的には続編で主人公の活躍が見たいと思ったのは『エンド~』のほう。ということで、現在製作中の続編『London Has Fallen』に期待してマス。
『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』で世間から散々叩かれて「もうアクション映画はやらない!」と逆ギレしたスピルバーグが挑んだ歴史劇(←ウソです
)『リンカーン』は、重厚なドラマ演出と名優陣の好演は見応えがあったけど、途中、ちょっとZZZ・・・
しかけそうになったことを白状します。
人によってはZZZ・・・な快眠映画かもしれません。しかし、学校の教科書だけでは分からないリンカーンの知られざる側面がドラマとしての推進力を高めてくれ、ダニエル・デイ=ルイスの“なりきりリンカーン”を観ているだけで十分に元は取れます。
同じ実録映画『ダイアナ』と『スティーブ・ジョブズ』は、あの世で2人がこの作品を観てたらさぞかし失望していたに違いない平凡な出来。それぞれ2人の「イヤ~な部分」しか見えてこず、どうも後味のよろしくない残尿映画で終わってしまっているのが残念。あ、そうそう、『ヒッチコック』は結構面白かったですヨ。
ブラピの『ジャッキー・コーガン』はドイヒーな珍作だったけど、大コケ間違いなしと前評判が最悪だった『ワールド・ウォー Z』は思ったよりマトモ系ゾンビホラーな仕上がりに。でも本編から丸々カットされたロシア一大バトルシーンをクライマックスに盛っていたら評価も変わったかもね、とか思ったり。
80年代アクション映画に回帰した作品もチラホラ。
『ラストスタンド』と『バレット』はまさに当時の懐かしいアクション映画をリスペクトした必見作。スタローンとシュワ映画で育ってきた30代後半以降のオッサンどもは、やっぱりこういうガチ系アクションに血が騒ぐというもの。
『ライジング・ドラゴン』はジャッキー映画としては決して満足な出来ではないが、ジャッキーの高速肉弾戦が見られたらそれだけで血湧き肉躍るのだ。![グー]()
期待ハズレだったのは、ラストの汽車アクションだけはなんかスゴかったけど、長すぎてどういうハナシかほとんど覚えてないという人がほとんどだった『ローン・レンジャー』。
『アフター・アース』は近年、ヒット作を生み出せていないシャマラン監督が、ウィル・スミス親子の発言力に敵わなかった凡作。色々と楽しいガジェットを出してきているのに、話に大して活かせなかったのはマジでモッタイなかった。![ショック!]()
『第9地区』のニール・ブロンカンプ監督最新作!ということでハードルを上げすぎたことが逆に良くなかった『エリジウム』は、決して悪くないんだけど、今ひとつ消化不良なSF。ジョディ・フォスターはどう見ても無駄遣い。![ショック!]()
ただ、スタローンもシュワも既に“過去の人”なのか、全米興行では『ラストスタンド』が1205万ドル、『バレット』が948万ドル、2人が本格初共演した『大脱出』も2506万ドルといずれも惨敗したのもファンとしてはちょっと寂しかった。
しかし2013年の大コケ映画は何といっても『ローン・レンジャー』と『47 RONIN』。前者は製作費2億1500万ドルに対して収益は8930万ドル止まりで、この不振が決定的となり、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーはディズニーとファーストルック契約を解消されてしまった。企画そのものを疑問視する声もあった『47 RONIN』はユニバーサルが本腰を入れて製作した本格3D忠臣蔵なのに、世界先行公開された日本では大して話題にならずズッコケ終了。年末ギリギリに封切られた全米ではわずか3320万ドルしか稼げず大赤字映画となってしまい、ユニバーサルは製作費1億7500万ドルをまるまる損失として計上するハメになった。もっとも、『怪盗グルーのミニオン危機一発』や『ワイルド・スピード EURO MISSION』の世界的大ヒットによって、ユニバーサルの昨年度の収益は十分に黒字らしいけど、やっぱりこのコケっぷりはちょっとイタイですなあ。
その他の注目作
『世界にひとつのプレイブック』(ブラッドリー・クーパーの情緒不安定演技がサイコー)/『愛、アムール』(ハネケ監督にまた脱帽した傑作)/『クラウド アトラス』(ハリウッドの壮大な実験映画)/『セデック・バレ』2部作(なんでしょうか、一言では要約できないけど、日本人としては見る意義のある作品)/『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(“宿命”という言葉がピタリとハマった傑作)/『エンド・オブ・ウォッチ』(警官2人の友情ドラマに男泣き)/『ザ・タワー 超高層ビル大火災』(予想以上にしっかりスペクタクルしてた力作ディザスター・ムービー)/『グランド・イリュージョン』(ネタバレ厳禁の1回勝負映画だったけど面白かった)/『42 ~世界を変えた男~』(泣いた。ハリソン、いい年の取り方してる)/『悪の法則』(嫌いなんだけど人によってはクセになる作品)/『マラヴィータ』(思ってたのと違ってた)/『キャプテン・フィリップス』(ハンクスの熱演で救われた作品)
2013年映画を総まとめ!(日本映画/アニメ映画) に続く ![手]()