2011秋ドラマ 最終回レビュー ●ドラマ満足度=★20点、☆10点 初回時は「なんかヘンなドラマだな」という程度だったけど 最終回の収め方もかなり強引だ。 ジャンルなのだが、本作は初回から思わぬ面白さで期待をもたせ、 かなり面白かった。 チームワークや成長劇をうまく絡め、実に見ごたえがあった。 高嶋政伸の“冬彦さん演技”はかなりツボだった。 だけど、ちょっと主人公の倉持をクローズアップしすぎ。 原因だったのかも。あざとさだけが目についてしまった。 最終回までやっぱりハマれず。恋に恋する20~30代女子向けなんだと痛感。 話からしてやはり無理があるし、説得力がない。 恋愛ドラマと変わりない新味のないもの。 出てるんだから、そこをクローズアップしたほうがまだ面白くなったのでは? カレ、夫、男友達 こっちのほうが“恋愛できない理由”なのでは? “恋愛できない理由”というテーマにふさわしいドラマだった。
家政婦のミタ
(日本テレビ/全10回/最終回視聴率:40.0%/平均視聴率:25.17%)
●ドラマ満足度/★★★★☆
ここまでバケるとは思ってもみなかった
ウナギ昇りしていった視聴率は最終回ではついに40%に。
今世紀の連続ドラマで最高の数字なんだそうな。スゲーな。
回が進むにつれて視聴者の気を引かせる脚本がやっぱりウマイ。
ミタが何度も警察沙汰になっておいて一度もお咎めなしとか、
都合のいい展開も気にならなかったわけじゃない。
役立たずの父親、崩壊寸前の家庭、で、そこに無感情の家政婦が
やってきて、てんやわんやのトラブルは都合よく収まるし、
しかし本作はあくまで「ファンタジー・ダーク・コメディ」なので、
そのへんはあえて目をつむろう(笑)。
初回レビューでウザキャラのうららちゃんは要らないだろ、と
書いたけど、最終回でうまく話に絡ませてきたので訂正。
しっかりと頬に手形が残ってた相武紗季はよろしくてよ(笑)。
安っぽい恋愛ドラマやヒネリのないサスペンス・ドラマばかりの中で
いかにキャラ、ストーリーで視聴者を惹き込ませるかに腐心した
日テレの狙いは素直に評価したいと思う。
話題性を抜きにしても面白かったドラマ。
しょーもない映画化で印象を悪くしたドラマが多いだけに
「続編も映画化なし」と終了宣言を出した日テレの姿勢にも共感。
ミタさん、笑顔になれて良かったね。
DOCTORS 最強の名医
(テレビ朝日/全8回/最終回視聴率:18.5%/平均視聴率:14.81%)
●ドラマ満足度/★★★★
2クールぐらいやってもいい良作!
医療ドラマってどれも似たり寄ったりな感じがあり、あまり好きじゃない
最終回まで失速することなく高いクオリティを保っていたので
ダメダメ病院を少しずつ改善してきた相良先生。
最終回では生体肝移植という最大の山場をもってきて、そこにキャラの
気持ちよく観られるドラマとはこういうこと。
もちろん俳優陣の魅力も本作の勝因といえる。
毎回、相良 VS すぐるちゃんで笑わせてもらったし、
で、最終回ではいい成長っぷりを見せてくれ、
主人公を喰っちゃうほどの猟奇的存在感を発揮(笑)。
彼の『HOTEL』以来のハマリ役・・・・は言いすぎか?(笑)
比嘉ちゃんも相変わらず可愛いし。
8回で終わってしまうのがもったいないと
惜しむぐらい良質なドラマ。続編またはSPも観たい。
南極大陸
(TBS/全10回/最終回視聴率:22.0%/平均視聴率:18.0%)
●ドラマ満足度/★★★
力作ではあったけどもっと犬に焦点を当ててほしかった
初回レビューで「今だからこそ観ておきたい日本人のドラマ」と
ちょっと誉めすぎた。訂正します(笑)。
CGやロケに金をかけ、作り手の意気込みが伝わってくる力作ではある。
『倉持物語』にしちゃマズイでしょ。主役はあくまでも犬たちなんだから。
あとキムタクの“現代人臭”を最後まで拭えなかった演出にも問題あり。
もっと言葉使い1つからちゃんと演技をつけるべきだった。
置き去りにされた犬たちのドラマがあまり描かれてないので
1年も生き抜いたという感動が今ひとつ活きていないのも残念。
犬の演技に救われている感はあるけど、それだけではね~。
演出の福澤克雄氏は「泣かせ演出がウマイ」と業界的には評判らしいけど、
『金八』シリーズではあんなにボロ泣きしたのに、本作ではほとんど泣けず。
犬たちが死ぬ場面ではスローの使いすぎで逆にそれがシラける
本当ならもっと感動できるはずだったタロジロの再会シーンでは
『南極物語』のヴァンゲリスのテーマ曲を脳内に流して観たけど、
それでもあまり泣けないんだよねえ。
ただ、昭和基地を前にして命絶えていくリキの場面と
死んだ犬を水葬にするシーンはさすがに目頭が熱くなったが・・・(泣)。
観る前は誰もが知ってる実話をTBSがどう料理してくれるのか
期待は大きかったけど、もうちょっと演出にサプライズが欲しかった。
私が恋愛できない理由
(フジテレビ/全10回/最終回視聴率:18.4%/平均視聴率:15.95%)
●ドラマ満足度/★☆
「恋愛できない理由」? どこが?
初回レビューでアラフォーのオッサンには共感できないと書いたけど、
20代女でしかもそこそこの美人を揃えて「恋愛できない」という
もっと話を練ってほしいのに、結局、これまで何度も見てきた
現実では30代以上女性の半数が恋人がいないという調査結果が
最終回では香里奈の心境の変化も意味分からんし、
生放送部分の東京タワー編は何がやりたかったんだろ?
コレだったら月9前作の『全開ガール』のほうが面白かった。
(NHK/全8回/最終回視聴率:8.1%/平均視聴率:8.2%)
●ドラマ満足度/★★★☆
正直、『私が恋愛できない理由』なんかよりも、本作のほうが
DV夫から暴力を振るわれる木村多江、
戦場カメラマンへの思いが断ち切れない真木よう子、
男を恋愛対象に見ることができない夏帆、
離婚した夫のことが忘れられない高畑淳子と
それぞれのキャラがしっかりと立ってるので
最終回までなかなか面白く観られた。
チャラ男(個人的見解)のユースケ・サンタマリアの
最低なDV男っぷりもハマってたように思う。
ま、女性からしてみたら、本作よりも『私が恋愛できない理由』のほうが
“理想恋愛像”なのかもしれないけど。
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