なんだかんだ言っても面白い!
PART6
あのヒドい母親に共感できないから感動もできない
A.I. ★★★
2001年/ワーナー
たくお 「キューブリックが原作の映画化権を獲得して長年温めてきた企画を彼の死後、遺族の説得もあってスピが映画化。いつものスピの娯楽性はあまりなく、哲学的なテーマが濃かったためかアメリカでは思ったほどヒットしなかった」
てるお 「でも日本ではスピ映画らしい“感動ファンタジー”として宣伝し、本国以上に大ヒット。お涙頂戴映画には弱い日本人の感性にピタリとハマったからなんだけど、いざフタを開けたら恐ろしいほどに悲しい話だった」
たくお 「『未知のと遭遇』以来、珍しく脚本も手がけたスピ。原作のままだとあまりに救いのない終わり方になってしまうため、母親と再会するエンディングをスピが付け加えた。それが賛否両論にもなったんだけど」
てるお 「あのエンディングは蛇足でしょ、いらない。そもそも愛のスイッチをONしておきながら、捨ててしまった母親に共感できるわけがなく、あそこで母親との思い出に浸るデイビッドのシーンをもってこられても感動できない。後味の悪さだけが残ったぞ」
たくお 「あのラストはハッピーエンドと受け取る人とそうでない人の意見が真っ二つに分かれた」
てるお 「なんでアレをハッピーエンドと思うんだろ? 母親と眠りについたデイビッドが“機能停止”になるわけだからハッピーエンドじゃないと思うが」
たくお 「あの結末はデイビッドが不憫に思えちゃって・・・・。ハーレイ・ジョエル・オスメントの泣き演技とジョン・ウィリアムスの音楽でヤラれてしまい泣いてしもうた(笑)。劇場ではすすり泣きがあちこちから聞こえてたよ」
てるお 「その取って付けたようなエンディングも違和感あったけど、演出がどうも好きになれなかった。あまりにも説明的すぎる」
たくお 「『甦らせるには体のサンプルが必要』とか『その人の宇宙時間を使うと二度と使えない』とか、スピって説明しすぎる悪いクセがある」
てるお 「観れば分かるシーンをいちいち語るナレーションもあまり要らなかった」
たくお 「もしキューブリックが撮ってたらこんな“説明映画”にしてなかったと思うよ」
てるお 「スピ映画唯一の夢オチ映画なんだけど、だったらあんなヒョロいロボットなんか出さずにデイビッドの夢の中で終わらせておけば、また評価も違ったんだろうけど」
たくお 「最初、アレはまた宇宙人なんかと思ったけど、最新型のA.I.だったんだね。2000年後の地球は人間は死滅し、ロボットだけが生き残ったと」
てるお 「デイビッドのファーストカットのピントが合ってない映像が、最新型A.I.に似てるんだよ。あれはデイビッドが普通のA.I.でないことを何気に暗示している」
たくお 「突き離して観たら極度のマザコン・ロボの愛探しの旅なんだな(笑)。いきなり笑いだしたり、トイレの中を覗いたり、ほうれん草をクチャクチャにしたり、デイビッドの不気味さが全開(笑)」
てるお 「ほうれん草のイッキ食いはダメよ(笑)。ただ、ロボの無感情な部分と子供的な部分が混ざり合ってない気持ち悪さがずっとあった」
たくお 「スウィントン家のシーンではエモーショナルな場面があまりなかった。寝たきりだった実の息子が帰って来てからは陰湿な空気感が増してるし」
てるお 「母親がデイビッドに愛情を注ぐ場面がもうちょっとあったらあのラストへの受け止め方も変わったと思う。息子が戻ってからデイビッドを邪魔者扱いしかしてないから余計にイメージが悪い」
たくお 「これまで父親不在の飢えた愛情を描いてきたスピは初めて母親を描いたわけだけど、父親愛はいつも作品から溢れているのに、母親愛には冷たい。母の愛情で育ってきたスピらしからぬ描写だった」
てるお 「疑似母子物語は原作の設定通りなんでしょ。いつもなら原作や脚本をかなりイジるスピだけど、今回は原作に忠実な作りにしている。初めはこの企画に乗り気じゃなかったスピの挑戦作ともいえる」
たくお 「セックス・ロボットのジゴロ・ジョーや風俗タウンのルージュ・シティーなど“大人の描写”も出てくるけど、そこはまだまだ“大人”になりきれてない感じ(笑)」
てるお 「そのルージュ・シティのケバケバしいビジュアルやさまざまなタイプのロボット、水没した都市のビジュアルは圧巻だったけどね」
たくお 「スピの近未来観は次回作の『マイノリティ・リポート』で炸裂する」
てるお 「オスメントのなりきりロボっぷりはすごい。『シックス・センス』もそうだったけど、彼に“大人の演技を子供のように見せる演技”をやらせるとピカイチ」
たくお 「泣き演技のうまさは芦田○菜ちゃんといい勝負(笑)。彼はまさに天才子役だったんだけどその後の転落も早かった(笑)」 ※2006年に飲酒運転と違法運転、さらにマリファナ所持で逮捕され、3年間の保護観察処分が下された。現在、芸能活動はしていない
てるお 「デイビッドと共にするテディはヒョコヒョコ歩いたりして見た目は可愛いんだけど、声がオッサンなのでかえって不気味(笑)」
たくお 「あのガラガラ声はちょっとねえ。もっと愛らしい感じで喋れよ(笑)」
てるお 「スピはまたロボ映画をやるらしいね。近未来社会で人工知能を持ったロボットが人類に刃向かうSFスリラー『ロボポカリプス』を監督するとか」
たくお 「公開は2013年夏か。『アイ,ロボット』と同じやん!てことにならないことを祈る(笑)」
●ここスピ!=子役の扱いの巧さ/近未来のビジュアル/泣かせのエンディング/ジョン・ウィリアムスの泣かせの音楽
●ここダメ!=取って付けたようなエンディング/説明的なエンディング/感情移入させない母親のキャラ/あまり可愛くないテディ(笑)
サスペンス性はイマイチだが未来描写は必見
マイノリティ・リポート ★★★☆
2002年/ドリームワークス・20世紀フォックス
てるお 「トム・クルーズがブサイクになるSFサスペンス(笑)。作品の視点は好きだしそれなりに面白いとは思うんだけど・・・」
たくお 「でもこの映画、すごく面白くなりそうな題材なのに、あまりそうなってない“消化不良感”があるんだよねえ」
てるお 「それとモヤッとした暗くて粗々しい逆光だらけの映像もなんか好きになれん。スピはフィルムノワールを意識してわざと汚らしい映像にしたんだけど、そんなに効果があるとは思わなかった」
たくお 「そう? 僕はこの映像はキライじゃないけど。なんか『セブン』ぽいし」
てるお 「近未来SFなんだからもっとカチッとした画で見せてほしかった。スピの久々のスコープサイズ作品なのにもったいない」
たくお 「『シンドラーのリスト』『プライベート・ライアン』では絶賛されてたヤヌス・カミンスキーは本作からファンに批判され始めたよな(笑)」
てるお 「ドリームワークスとフォックスのロゴまでノワール調だし」
たくお 「ただね、DVDはひどく白飛びした激アマな低画質だったけど、ブルーレイはスピ本人が監修してるので別物みたいな絶品画質なんだよ。これだけ画質が向上すると少し作品の良さも見えてくる」
てるお 「本作では銀残し映像が使われてるけど、DVDでの再現はかなり厳しい。でもHD映像のBDだと緻密になるからクオリティもすこぶる良い」
たくお 「演出として抜群に良かったのはオープニングの不倫女のシーン。スピーディで緊迫感に満ちてた」
てるお 「確かに。あのサスペンスフルな調子でずっといくのかと思ったんだけど、そうじゃなかった(笑)」
たくお 「脚本のツメが甘いし、話にアラがあるからサスペンスとしてもうひとつ楽しめなかったのはイタイ」
てるお 「あとスピの不慣れなコミカルシーンが強引にねじ込まれてるので、せっかく緊迫感がガラガラと崩れていく(笑)」
たくお 「笑ったのはトムが転げ落ちる目ん玉を追いかけるところ(笑)」
てるお 「そして出来たてホヤホヤの新車でスタコラと逃げてゆくトム(笑)」
たくお 「あの車工場での追跡シーンは同年に公開された『スター・ウォーズ エピソードⅡ』とモロ被りしてたんで、めっちゃデジャヴやったな」
てるお 「最大のツッコミどころであるトムがブサイクになって潜入するシーンは『バニラ・スカイ2』かよ(笑)」
たくお 「犯罪者として追われている主人公の網膜ですんなり入室できてしまうのもありえん。サスペンス映画としてやっちゃいかん禁じ手だぞ」
てるお 「『溺死』って余計なひと言を漏らしちゃったために真犯人がバレるオチも古い手だよなあ」
たくお 「事件が終わった後に空からダーッと降りてくる応援部隊も全くの役立たずだし(笑)」
てるお 「で、結局、囚人は全員釈放、主人公は新たな命を授かった妻とヨリを戻して万事OK、プリコグ3人は解放されて御隠居生活。トムのナレーションだけで済ませちゃってる話の片付け方もちょいザツ」
たくお 「犯罪予知システムの盲点を突いたドラマ的描写がないので、観てるこっちも納得させられるところがあまりないんだよ」
てるお 「まあ、ツッコミどころは多いけど見せ場は忘れてない。トムが車で逃亡する垂直下降アクションは好きだし、スパイダーで捜索する場面もなかなかスリリング」
たくお 「科学者や有識者らの意見を取り入れたという未来社会の描写は特筆もの。あんなオートマチック・カーがあれば便利だな」
てるお 「透明メモリーカードで観る立体ビデオは欲しいぞ。CM映像付きのフレークはうっとおしいから要らないけど(笑)」
たくお 「警官が持つ嘔吐棒は犯人を取り押さえるのに有効かもしれないけど、後始末が面倒」
てるお 「てか、ゲロをぶっかけられる警官が一番災難だろ」
たくお 「網膜を読み取られて名前で呼びかけてくる広告看板はただの迷惑な勧誘じゃん。呼ばれたくない人は“ヤカモト”さんの眼球に変えないと(笑)」
てるお 「俺がいいなあと思ったのは、人気スターとエッチができるバーチャル風俗店。あれは全男子の願望だわな(笑)」
たくお 「こんなに未来社会が進歩してるのに雨が降るとフツーに傘をさすのな」
てるお 「絶対に濡れない防水スプレーとか開発しとけよ(笑)」
●ここスピ!=近未来描写/オープニング・シーン/スパイダーの捜索シーン
●ここダメ!=ツメの甘いサスペンス・ストーリー/ヤヌス・カミンスキーの薄暗くて汚い映像/緊迫感を打ち消す笑えないファニー・シーンの数々/やっつけなエンディング
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ブルーレイ・レビュー『マイノリティ・リポート』
話は面白いがカミンスキーの重い映像がマッチせず
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン ★★★☆
2002年/ドリームワークス
たくお 「スピとディカプの初タッグ作品。劇場で観たときはスピ映画にしてはフツーの印象だったけど、久々に観直したら面白いな」
てるお 「この頃のスピはすっかりスター映画を撮るようになってた。本作の主人公はあくまで『人』なので、ヒットさせるには有名俳優ありきだったんだろうけど」
たくお 「オープニング・タイトルが『タンタン』ぽいアニメ仕様になってて、あそこは楽しい」
てるお 「60年代が設定の作品なのでソウル・バスをリスペクトしているのは明白。ジョン・ウィリアムスの音楽もジャズ色の強い、やはり60年代を意識した音づくりをしている」
たくお 「ただ、OPタイトルのようなもっと軽いタッチのコメディだと思ってたら、意外とヒューマンなドラマだった」
てるお 「俺も痛快な逃亡・追跡劇が繰り広げられると思ってたので、正直『アレ?』な部分もあった」
たくお 「そういう痛快的面白さを期待して観た人には今ひとつ評判が良くないけど、父子の物語とか友情劇はスピ映画の十八番」
てるお 「水準以上の作品だし無視できない佳作だと思うけど、スピじゃなくてスティーブン・ソダーバーグ監督がやってたらどうなってただろ、と思う」
たくお 「少年版『アウト・オブ・サイト』か(笑)」
てるお 「実話を題材にしていると思ったらそれなりに面白いけど、2時間ぐらいに収めてればもっと楽しめたかもしれない。ちょっと冗長だし、鑑賞後のモヤッと感も拭えない」
たくお 「なんだろ、映像が重苦しいというか、もっと痛快映画にふさわしい色使いとか明るい映像にしてくれりゃいいのにと思った」
てるお 「そうなんだよ! やっぱりここでもヤヌス・カミンスキーの悪い部分が出ちゃってる」
たくお 「本当なら映像の軽妙感を出すべきなのに、逆に重厚感が出ちゃってるのは違和感あるよね」
てるお 「カミンスキーを撮影で使うのは重いドラマ系に限定すべき。あまりエンタメ映画で使ってほしくない」
たくお 「フランク・W・アバグネイルの実話を基に話を膨らませてるけど、家庭不和や逃亡人生の苦悩などヒューマンな部分に焦点を当てたドラマ色が強い」
てるお 「彼を追いかけるトム・ハンクス=FBIのハンラティは架空人物。モデルになった実在の人物はいるらしいけど」
たくお 「じゃ、エンディングの『2人は今でも親友である』というのはウソなんかい?」
てるお 「フランクはパイロットや医者、弁護士になりすますわけだけど、どうやって周囲の人間を騙したのか、その騙しテクをもっと見たかったのに映画ではその手口がけっこう端折られてる」
たくお 「どこまでが実話で、どこまでがフィクションなのかがよく分からない。けっこうご都合主義で話が進んでいくし」
てるお 「弁護士は本当に猛勉強して司法試験に受かったらしいけど、パイロットや医者ってそんな簡単にごまかせるものなのか?」
たくお 「まだ人が人を信じることができた良き時代というやつですよ。今じゃまず無理だろうけど」
てるお 「偽造小切手だって難なく作りあげちゃうし。しかも高校生が考えたようなザツな作り(笑)」
たくお 「フランク本人は偽造小切手にさほど精通してたわけじゃなく、相手が気づいた時はとっととオサラバし、むしろ人柄や和術で騙してたらしい」
てるお 「口から出まかせは天才的だったらしいね。大人でもケロッと騙されるぐらいに」
たくお 「フランクが鉢合わせになったハンラティを巧みな話術で騙してスタコラと逃げる場面は笑った」
てるお 「女子大生のスチュワーデスと共にパイロットに化けて、FBIの張り込みをすり抜けて飛び去っていくシーンもいい」
たくお 「恋人の看護婦役はブレイク前のエイミー・アダムス。歯の矯正器を付けてニタ~ッと笑う彼女はあまり可愛いくないけど(笑)」
てるお 「あの手この手で詐欺を繰り返すフランクだけど、素の顔は人一倍寂しがり屋の少年。いつもどこか寂しげな表情を浮かべている」
たくお 「『話す相手がいないのか』とハンラティに言われて動揺し、『もう追ってこないでくれ』と弱みを見せる一面も」
てるお 「ハンラティに『エクレアをくれよ』とせがんだり、彼から父親の死を知らされ機内で泣きじゃくったりする姿はまだ少年のまま」
たくお 「フランクはスピそのものだと思う。父親への愛情の飢えはまさしくそうだし、スピが学生時代に関係者と身分を偽ってユニバーサルの撮影スタジオに何度も忍び込んでいた話は有名」
てるお 「なるほど。その才能を買われてユニバーサルに雇われたスピと、FBIに雇われたフランクのその後の人生も通じるものがある」
たくお 「逮捕後のフランクとハンラティのエピソードも面白かった。続編で2人が手を組んで世界中の詐欺犯を捕らえる話も見たいかも」
●ここスピ!=父子のドラマ/意外と感動できるストーリー/オープニングのアニメーション/ジョン・ウィリアムスの音楽
●ここダメ!=コメディとドラマの部分が溶け込んでいない演出/軽妙さのない重苦しい映像/少し展開がニブい。2時間以内に収めるべき
空港の巨大セットはマジですごいがキャラが魅力不足
ターミナル ★★☆
2004年/ドリームワークス
たくお 「『キャッチ・ミー』に続くスピの小粒な佳作」
てるお 「小粒な佳作というわりには製作費は6000万ドルも費やした“大作”なんだけど。建設に6カ月近くもかけた空港のフルセットはマジですごい」
たくお 「さすがにハリウッドとはいえ本物の空港で長期ロケは無理だろうし。売店1つ1つまでちゃんと“本物”仕様になってて、撮影合間はスタッフはその“売店”を利用したんだそうな」
てるお 「映らない部分まで本物にこだわるハリウッドならでは。でもぶっちゃけそれぐらいしか見どころがなかった(笑)」
たくお 「実際に15年以上もほとんど空港で暮らしたイラク難民のマーハン・カリミ・ナセリの話をヒントに作られているけど、CAとのロマンスや空港の従業員が彼を祭り上げるようなエピソードは映画の創作」
てるお 「そうだろうね。映画での話はちょっと現実離れしているし、良作なんだけど、ヒューマンなドラマを期待して観るとインパクトが弱い。ファンタジー・コメディと割り切って観たほうがいい」
たくお 「コメディなのか、ドラマなのか、ラブ・ストーリーなのか、ハッキリとした作品カラーを示してくれないので、観てる間はなんかモヤモヤ感があった」
てるお 「いつもはパンダ顔の地味な女優を好むスピは、珍しくスターのキャサリン・ゼタ=ジョーンズを起用。色ボケなCA(笑)のキャサリンはキュートに撮られているんだけど、彼女とのラブ・ストーリーはいらんでしょ」
たくお 「だったら主人公のナボルスキーと空港関係者、従業員とのエピソードに時間を割いてほしかったね」
てるお 「そうなんだよ。その部分をちゃんと描いていれば、空港から出ていくナボルスキーを全従業員が送り出すエンディングがもっと感動的になったのに。主人公と従業員の関係が浅いからあのラストはちょっと白々しい」
たくお 「さりげなく感動させるのが巧かったスピなのに、ここでの感動演出はあざとかったなあ。話が横道にズレてるのも気になったし」
てるお 「ナボルスキーがアメリカに来た理由も本当は泣かせどころなんだけどあまり泣けず。シメのエピソードとして弱い」
たくお 「日本では“空港から出られなくなった男の感動ストーリー”と露骨に“感動”をウリにして、まんまと40億以上も稼いでたけど、泣きドラマを求めて観た人からの評価は今ひとつ」
てるお 「日本の配給会社ってすぐ“泣き”にもっていこうとするよな。コメディとしてそんなに笑えるわけでもなく、空港で孤立する男の話に切なくなるわけでもなく、恋愛ストーリーにウットリするわけでもない。ああ~、この残尿感、なんとかしてくれい(笑)」
たくお 「トム・ハンクスの十八番ともいえる“汚れを知らない無垢演技”は相変わらず絶品だけどね」
てるお 「『ビッグ』『フォレスト・ガンプ』が好きな人は好きかも」
たくお 「でもスタンリー・トゥッチ演じる国境警備局主任のイジワルキャラはステレオタイプすぎるし、全く感情移入できないから話があまり盛り上がらない」
てるお 「ナボルスキーに共感してトゥッチのキャラも変わっていくならドラマ性も高まったかもしれないけど、コイツのひね曲がった根性は最後まで変わらない(笑)」
たくお 「あとナボルスキーの空港生活の“日常”がもっと観たかった」
てるお 「返却カートで25セントを稼ぐ場面は面白かったけど。俺も今度やってみようかな?(笑)」
●ここスピ!=とにかく巨大な空港のセット/トム・ハンクスの無垢演技(これはスピのおかげじゃなくてハンクスの魅力)
●ここダメ!=ジャンルがごっちゃ煮/感動の押し売り/必要性を感じないラブ・ストーリー