Quantcast
Channel: ぶっちゃけシネマ人生一直線!❁
Viewing all articles
Browse latest Browse all 15087

シネトーク114『貞子3D』前編●あの貞子が飛び出してくるのに全く怖くないことがコワい(笑)

$
0
0

ブルーレイ&シネマ一直線



面白い映画には愛を捧げ、そうでない映画には鉄槌を下す
てるおたくお

ぶっちゃけシネトーク


●今日のちょい気になることシネ言

「日本人監督がJホラーをダメにするこの虚しさ」




シネトーク114

『貞子3D』




監督・脚本:英勉 原作:鈴木光司 脚本:藤岡美暢
出演:石原さとみ/瀬戸康史/高橋努/染谷将太/高良光莉/山本裕典/田山涼成/橋本愛


2012年角川映画/96分/ビスタサイズ/3D/角川映画配給(2012年5月12日公開)




●作品解説
Jホラーの金字塔『リング』シリーズ最新作で初の3D映画化。
『リング0 バースデイ』以来、12年ぶりの新作となる。
舞台を現代に移し、ネットを徘徊する貞子の恐怖を描く。
 ニコニコ動画にある男の公開自殺動画を観た人間が同時刻に死亡した。
教師の鮎川茜が勤務する女子高の生徒も犠牲となってしまう。
茜は恋人の孝則とともに噂の“呪いの動画”を調べるのだが・・・。




※今回のシネトークは前後編に分かれています(文字数オーバーのため)ガーン

※ネタバレしてます! ご注意ください




ブルーレイ&シネマ一直線 ホラーを撮ったことない東北新社社員監督が起用されたナゾ


てるお 「確かにさ、『リング2』『リング0』も出来のいい続編じゃなかったけど、それにしたってこんなに劣化していくシリーズ映画はそうそうないぞ


たくお 「あるじゃん、『ジョーズ』シリーズとか、『ポリス・アカデミー』シリーズとか(笑)」


てるお 「よくこれで『“リング”シリーズ完全最新作!』って宣伝できるよな。半分詐欺入ってるじゃん


たくお 「これはもうスピンオフだね。いや番外編・・・・・、いや外伝かな?(笑)」


てるお 「『13日の金曜日』シリーズでいうと『ジェイソンの命日』。もしくは『デスノート』シリーズでいう『L change the WorLd』みたいな(笑)」


たくお 「シリーズのお約束を無視し、過去の設定をブチ壊し、キャラクターを殺しちゃったという意味ではこれらの3作は共通してる」


てるお 「ファンからはシリーズ作としてカウントされないという部分でも共通してるぞ(笑)」


たくお 「なんかさ、公開直前まで貞子の異常なまでのプロモーションが多かったじゃん。キティコラボから始まり、ケロロ軍曹コラボ、始球式、渋谷大行進、メガ貞子トラック・・・・。そっから既にヤな予感はしてたんだけどさ」


ブルーレイ&シネマ一直線

ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「一連の貞子やりすぎキャンペーンは明らかに逆効果でしょ。『今回の貞子は全然怖くないですよ~!』と自ら宣伝しているようなもんじゃん


たくお 「言えてる」


てるお 「スカイツリーのオープン初日にもメガ貞子が現れたらしいね。口コミで成績が落ちてるから角川も必死なんじゃね?(笑)」


たくお 「実はそうでもないらしんだよ。5月21日までの10日間で6億5000万円のヒットを記録し、10億円超えも確実視されてる。角川はさらに上映館を増やすらしいよ


てるお 「マジか? もっと上映するべき映画が他にもあるだろうよ」


たくお 「呪いの動画と一緒で、この映画そのものが“いけないものを観てしまった”だよね(笑)


てるお 「大体ね、やたらとキャラ化してPRしまくる映画って『つまんない』という法則があるんだよ


たくお 「見事にその“法則”にハマってるじゃん。僕もある程度の覚悟をして鑑賞に臨んだけど、まさかここまでの珍作になってるとは思いもしなかった


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「シリーズ・ファンからは完全にそっぽを向かれてるけど、シリーズを1本も観てない若者とか本作をどう感じるんだろ? やっぱり怖いのかな?」


たくお 「今時の若者はこんな程度では怖がらないよ。だって僕の後ろの席にいた女子中学生グループは貞子が出てくるたびに『きゃははは!ウケる~』って笑ってたぞ(笑)


てるお 「それって作り手の狙いは完全に失敗してるじゃん(笑)。お化け屋敷でもダメなよっぽどの怖がりには効果あるのかもしれんけど・・・。でも少なくとも『面白かった』というやつはいないだろ


たくお 「僕としてはね、『リング』を知らない人に貞子があんなヘンチクリンなクリーチャーなんだと思われるのがイヤなんだよ。貞子が呪うワケは壮絶な過去があったからで、本当は哀しい女なんだよ。あんなワケのわかんないゲテモノじゃねーから!」


てるお 「貞子をそんなゲテモノにした角川は重罪だな。こんなの企画したヤツは縛り首の刑!」


たくお 「途中から何の映画を観てるか分かんなくなったよ。『あれ? 今、俺「貞子3D」を観てるんだよな?』って(笑)」


てるお 「ほんとそうだよな」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「本作から学んだことは、ホラー映画を分かってない監督が撮ると目も当てられないボンクラ映画になっちゃう、ということだけ(笑)


てるお 「てか、なんで英勉監督が起用されたの? この人のフィルモグラフィ見てもホラーなんて1本も撮ってねーじゃん」


たくお 「本作の制作プロダクションが東北新社だから、社員の彼が起用されただけでしょ。『角川さん、じゃカントクはうちの英勉でひとつよろしく!』てな具合で決まったとしか思えない」


てるお 「やっぱそうだよな。普通の感性をもった人間なら、『ハンサム★スーツ』という珍作を撮った監督に任せないぞ。普通ならさ」


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「パンフのプロダクション・ノートに『CM出身のテンポのよい演出に3Dとの相性抜群』とも書いてあったけど」


てるお 「なるほど、それで監督に起用されたと。・・・・は? 意味わかんね(笑)」


たくお 「1作目にあったジメジメ系の湿っぽい恐怖演出は完全に封印され、ドッカンドッカン系のドッキリ演出で攻める。まあ、そのアメリカナイズされた演出は今日的なんだけど、そんなのは『パラノーマル・アクティビティ』シリーズでさんざんやり尽くされてるので、すっかり免疫のできた今の若者にはさほど効果的じゃなくなってる


てるお 「初めて貞子の手がニョキと出てくるとこは面白いかもしれないけど、ずっとそればっかりでヒネリなさすぎ。そればっかだと観客は飽きてくるわけで、隣に座ってた子供は大して驚きもしないでずっとポップコーン食べてたぞ(笑)」


たくお 「茜が廊下で生徒と会う何でもない場面でもビックリ演出してたでしょ? ああいう全く意味のない演出は逆にムカつくわ」


てるお 「その場かぎりのあこぎなビックリ演出は『パラノーマル』とかに任せておけばいいのであって、Jホラーはもっと違う角度から攻めないと。観終わった後もずっと残るジメジメ系恐怖演出がJホラーの醍醐味でしょ。『ビックリする』のと『怖い』は全然違うから!


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「アトラクション的な演出は3Dでやればいい。逆にドラマ演出はもっと正攻法にJホラー的なやり方で怖がらせないといけないのに、監督はそれを分かってない」


てるお 「ただのアトラクション・ホラーにするだけなら『リング』でやる必要すらないよな。今回の貞子は集客用にその知名度を利用されただけとしか思えない


たくお 「パンフでホラー映画ライターがコラム・レビューで『Jホラーのアイコンにまでなった貞子を一度破壊しないと、新たな貞子は生まれてこない』と、誰の目から見ても明らかにダメダメな本作を苦しまぎれにヨイショしてるけど、その新たな貞子の創造は反対しないけど、やり方が全然正しくない。こういう貞子はファンは望んでないでしょ


てるお 「愛され続けてきた人気キャラを変えちゃうとファンからの攻撃も容赦ない。特にホラーキャラは顕著で、最近ではリメイク版『エルム街の悪夢』のフレディがただのヘンタイ小児愛者に変えられたためにファンから叩かれた」


たくお 「リメイクの『13日の金曜日』は、シリーズのお約束と伝統を守りつつ、今日的なバイオレンスを加味し、ハイテンポでストーリー展開でオールドファンも魅了した。でも『貞子3D』は貞子というキャラを借りただけの全くの別物映画にしただけ


ブルーレイ&シネマ一直線


てるお 「そこに『リング』的恐怖は微塵もない。ていうか、製作会議で『こんなの貞子じゃないでしょ!』って誰か反論しなかったのかな?」


たくお 「おそらく製作会議はこんな感じでしょ 指


スタッフA 『貞子を3Dで飛び出させたら怖いと思うんですよ! どーすか?』


スタッフB 『いいねいいね! 3D料金分、稼げるしさ』


スタッフC 『貞子をバンバン出して、でっかい貞子も登場させるんですよ! 大ウケ間違いなしっス!』


スタッフD 『最後はクリーチャーっぽい貞子も出しましょうよ。物体Xみたいな。で、ヒロインは念力を使って貞子と対決させるんです!』


スタッフE 『おお、バイオハザードっぽくていいんじゃね?』


角川社長 『貞子ブームの再来間違いなしだな! キティちゃんとのコラボ商品とか作れば女子高生にもウケるぞ。ウハハハハ!』


てるお 「ガチでありえる会議風景だな(笑)」


たくお 「監督のダメダメな演出問題もあるけどさ、それ以前に脚本もバカすぎる・・・・


てるお 「一応、Jホラーの金字塔“『リング』シリーズ最新作”だろ? ツッコミありきで観なきゃいけないってどーいうことよ? もう犯罪的なレベルだぞ、コレ


たくお 「話の整合性なんて全く配慮されてない。『は? なんでそーなるの? え? 今のどういうこと?』と自分の思考回路と戦いっぱなしの96分だった(笑)


てるお 「とりあえず、過去のシリーズから話が全然続いていないのはマジで呆れた」


たくお 「山本裕典演じるアーティストの柏田がネットで叩かれた恨みを晴らすため、自殺動画をあちこちに流して貞子の呪いを広げるという導入部からもう意味不明(笑)」


てるお 「こいつ、めちゃめちゃ打たれ弱いな。彼の『さあ始めよう!』で必ず笑っちゃうんですけど・・・・」


たくお 「で、その動画を観て犠牲になったのがたった5人ぐらいしかいないんだよ。どこが著名なアーティストなんだよ(笑)


ブルーレイ&シネマ一直線 ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「なんでこいつが貞子を復活させる方法を知ってたのかもナゾだしさ」


たくお 「山本クンは貞子を実体化させるために、女性を何人も拉致して井戸に放り投げてたんだけど、茜みたいな超能力者が見つかるまで拉致るつもりだったのか?」


てるお 「てか、何人拉致ってるんだよ。井戸もすぐにパンパンになるだろ(笑)


ブルーレイ&シネマ一直線


たくお 「あんな大胆な犯行を繰り返しておいて警察に捕まらない不思議(笑)」


てるお 「あの井戸もさ、ペンションがあったところ同じ場所? なんか場所変わってね?」


たくお 「あの廃墟でしょ? てか、茜と刑事の2人がどうやってあそこを突き止めたのかもナゾ。いつの間にかその場所にたどり着いてるし」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「それ以前に、あの井戸から不可解な事件が何度も起こってるんだから、ちゃんと埋めとけよ(笑)」


たくお 「あと、染谷将太クンなんて何のために出てきたの? 彼、動画のことについてなんか知ってそうなワケアリ人物だと思ってたら、中盤からただのイカレキャラになって結局は首つり自殺(笑)


てるお 「染谷クンのシーンは全カットでも本編に全く影響ない(笑)


ブルーレイ&シネマ一直線

たくお 「そして本作一番のBOMBキャラはあの若手刑事(笑)」


てるお 「貞子ヘアーで出てきた時、『冗談っすよ! 小磯さん怖かったっスか!?』と悪ふざけをしてるのかと思いきや、ガチで呪われて拳銃自殺しちゃうという・・・・。あのシーンで何人か笑ってたぞ(笑)


たくお 「俺もなんかのジョークシーンかと思った。『ハハハ・・・・・え? えええー!?』みたいな(笑)」


ブルーレイ&シネマ一直線

てるお 「あれをOKカットとする監督のセンスはある意味すごい。イッちゃってるわ・・・


たくお 「てか、この若手刑事役の俳優の演技はもうちょっとなんとかならんかったのか。棒読みヒドすぎでしょ(笑)」




シネトーク 後編につづく 手



Viewing all articles
Browse latest Browse all 15087

Trending Articles