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シネトーク187『ゼロ・グラビティ』●今、劇場で観ないでいつ観る!?

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白い映画には愛を捧げラブラブ! そうでない映画には鉄槌を下すパンチ!
たいむぽっかん
ぶっちゃけCINE TALK!!!

●今日のぶっちゃけなシネ言

「2D→3D変換でも素晴らしい3D映画ができる」





シネトーク187
『ゼロ・グラビティ』 (3D)
GRAVITY






監督・製作・脚本・編集:アルフォンソ・キュアロン 音楽:スティーヴン・プライス
出演:サンドラ・ブロック/ジョージ・クルーニー 声の出演:エド・ハリス


2013年米/ワーナー/91分/シネマスコープサイズ/3D/ワーナー配給(2013年12月13日公開)


●作品解説
 アルフォンソ・キュアロン監督が無重力(ゼロ・グラビティ)の宇宙空間を舞台に贈るSFサスペンス。スペースシャトルで船外活動中に予期せぬ事故で宇宙空間へ放り出され、救助も期待できない絶望的状況で漂い続ける2人の宇宙飛行士の運命を、無重力の世界を圧倒的な臨場感で再現した3D映像でスリリングに描く。
 地上600kmの上空で地球を周回しているスペースシャトル。今回が初めてのミッションとなる女性エンジニアのストーン博士は、ベテラン宇宙飛行士コワルスキーのサポートを受けながら船外での修理作業に当たっていた。その時、ロシアが自国の衛星を爆破したことが原因で大量の破片が軌道上に散乱し、猛烈なスピードでスペースシャトルを襲う。衝撃で漆黒の宇宙へと放り出された2人は互いを繋ぐ1本のロープを頼りに、絶望的な状況の中、奇跡の帰還を信じて決死のサバイバルを繰り広げるが…。(all cinemaより)




※ネタバレしてます! ご注意を!





「リアルな宇宙的空間」と「凄まじい映画的空間」が共有した傑作


私が言うまでもなく、これは傑作です。これを観ずして映画を語るべからず!と言ってもいいぐらい。グッド!


「女性飛行士が宇宙から生還するだけの話だろ? オチ分かってんじゃん。別にレンタルでいいんじゃね?」とか「わたぁし、SFにゎ興味なぁい~!『抱きしめたい』のほうが面白そぅ~」などとヌカしているゆとり世代には頭突きを食らわしてやります(←いきなりけんか腰 にひひ)。2ヶ月以上もロングラン上映しているのにコレを観に行かないなんて罪ですよ(キッパリ)。



驚異的な映画的空間を体験する作品として、コレを今、劇場で見せてくれたキュアロン監督には感謝したいし、「ほんま、スゴイのを見せてくれて、有難うございます!」なんですわ。土下座



元々、サバイバル映画は大好物でして、『キャスト・アウェイ』や『生きてこそ』『127時間』は何度も繰り返し観ているほどで、昨年に公開された『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』や『キャプテン・フィリップス』もやはり傑作だった。絶望的な状況下で生にもがいて奮闘する人間のドラマほど熱いものはないワケですよ。



けたたましい音から一瞬にして無音になるオープニングから度肝を抜かれ、観客に<サイレンスな宇宙空間>感を擬似体験させる演出からして既に傑作の予感。名作『未知との遭遇』のオープニングをちょっと思い出したりね。




たった91分しかない本作、とにかく好きな場面が多い。本編のほぼすべてが好き、と言ってもいいかもしれない。


・1カット撮りの圧倒的なオープニング
・コワルスキーが地球をグルリと眺める美しいシーン
・亡くなった娘のことを話すライアン ほろり
・徐々に離れていくコワルスキーとライアンの会話
・ライアンが宇宙服を脱ぎ捨て、まるで胎児のように映し出される場面(ここ名場面グッド!
・デブリ(宇宙ゴミ)の余波でISSが粉々になるダイナミックな3D演出
・ライアンがアニンガと交信し、絶望に陥るシーン ほろり
・ライアンがコワルスキーの幻覚に励まされるシーン
・大気圏突入の感動演出 ほろり
・無事に生還したライアンの仁王立ち! ほろり





1カットが異様に長いため、緊張感が途切れない演出も特筆に値する。

例えば、絡まったパラシュートを宇宙船から外そうとするライアンのシーンでは、彼女が船外に出た瞬間から不吉な予感が漂い、背後でデブリが少しずつ襲ってくることが分かると、「やべー、キタ、キター!!! サンドラ、後ろ!後ろ!」と、まさに「志村!後ろ!後ろ!」状態になり、観てる方の心拍数も上がってくるのだ。にひひ



また、劇中で印象的だったのは、ライアンが常に何かに掴んでいる姿。掴みそこねて宇宙に飛ばされそうになると、こっちも思わず身構えてしまう。この“掴む行為”こそが、ヒロインの“生への執着”の証しであり、最後に土を掴む時は“生を実感”した瞬間であり、だからこそあのエンディングに胸が熱くなるんですよ。 ほろり


サンドラの涙を3Dで飛ばして、ドラマティックな演出をより感動的に高めているのもさすが。3Dを泣かせ演出の道具として効果的に使った良いお手本。




音響、音楽の使い方も実に秀逸。


スティーヴン・プライスのスコアは、明確なメロディを聴かせるよりも、宇宙の無音をノイズ的な音楽として紡ぐことで、見事にシーンと一体化。

スリリングな場面ではそういう音響ノイズ的な音楽が主体となり、ヒロインの葛藤シーンでは情感に訴えるメロディが強くなっていく。それでいてちゃんと耳に残る。音楽なのか音響効果なのか、意図的に曖昧な感じにして、危機感を煽る音の演出もチェックポイント。グッド!


宇宙での無音をゴゴゴッという重低音で表現し、まるで海底にいるような感覚。そしてライアンが生還した時に聞こえる「虫の飛ぶ音」「水の音」に“生”を意識させた演出に感動を覚えるわけですヨ。 ほろり




確かに「宇宙をリアルに描いたSF」ではあるけれど、実録映画ではないので、「できるだけリアルに感じてもらう宇宙空間」を観客に3Dで体験させながら、「映画的空間の醍醐味」を味わわせるという、この2つの演出手法を巧みに融合させた演出に興奮度も倍増。2倍~、2倍~!というね。ぱちぱち 



観客は、壮絶なサバイバルでもがくヒロインに感情移入しながら、宇宙空間に放り込まれるアトラクション的な快感も共有できるわけです。このアトラクション的快感が圧倒的優位に働くので、「宇宙空間なのにでかい音がしまくり」とか「酸素量が少ないのにずっと喋ってるヒロイン」とか「デブリが地球を1周して再直撃なんてありえない」とか「消火器1つで宇宙船に難なくたどり着いちゃう」とか「ヒロインが『Eeny, meeny, miny, moe』で運命を決めちゃう」とか、本当ならツッコみまくってる<映画的なウソ>も許せちゃう。にひひ この映画、宇宙を研究している学者や本物の宇宙飛行士とかが見たら「ウソだらけ」なんだろうけどね。




「アドリブのできる余地なんかなかった。すべてを計算した演出をしなければならなかった」とキュアロン監督が述べるように、1カット1カットにおいて緻密に計算した演出がされている。

例えば、コワルスキーとライアンが離ればなれになっても会話を続ける場面では、2人の位置関係や距離感を意識したアングルで撮られていることが分かり、「頼れる者が徐々に遠ざかり、主人公が1人で生還しなければならない」という不安感を観客にも共有させた演出をしているんです。


さらに感心したのは、カメラが目まぐるしく動いているのに、その対象物がどの位置にあって、何がどう起こっているのか、というのがちゃんと分かる演出になっている。つまり見やすい。コレって結構重要で、ズサンな演出で済ませる監督だったら「何が何だかさっぱり分からない」という失敗作になっていた。キュアロン監督の寸分違わない演出の成果は極めて大きいといえます。グッド!





めったに出会うことがない「素晴らしい劇場体感型映画」だったので、結局、5回も観てしまった。にひひ すべて3Dで鑑賞。さまざまなバージョンを観て比較したかったというのもあるんですが・・・。


●IMAXバージョン(109シネマズ・木場)
 3D方式:IMAX3D/鑑賞料金:2200円
●TCX・ドルビーアトモス版(TOHOシネマズ・船橋/2回鑑賞)
 マスターイメージ/1300円(メガネ持ち込み+1000円デーに鑑賞)
●ULTIRA・ドルビーアトモス版(イオンシネマ・幕張)
 RealD/300円(メガネ持ち込み+見放題パスポート使用)
●3D日本語吹き替え版(イオンシネマ・市川妙典)
 RealD/300円(メガネ持ち込み+見放題パスポート使用)


スクリーンサイズはそれほど大差はないものの、やっぱりIMAX が一番大きかった印象。明度もIMAXが最も明るくて見やすく、3Dの奥行き感も自然に入り込みやすかった感じ。ただし、3Dメガネはクリップ式メガネに比べたら使い心地はあまり良くないし、IMAXは割引料金が一切ないのがネックだ。ショック! 

IMAXとULTIRA(イオンシネマ)のスクリーンサイズは非公表なので、大きさの比較ができない。今のIMAXは昔に比べてミニサイズのため、比較されたくないから非公表にしているようだが、それは利用客からしたらただ不親切なだけ。TOHOシネマズのようにきちんとサイズを表記するべきだ。むっ



TOHOシネマズ=マスターイメージ 、イオンシネマ=RealD の3D方式を採用しており、いずれも同じ円偏光方式だが、やはり若干画面が暗くなってしまうのがデメリット。ただ、3Dメガネが共通で使えるのがウリで、私のようなメガネONメガネの人は劇場で売っているクリップ式メガネが超ラクチンだ。全く苦にならないし、持ち込めば3D料金は100円引きとなる。


TOHOシネマズ導入のTCX 、イオンシネマ導入のULTIRA はいずれも初体験。2劇場ともに千葉にある(千葉県民、うらやまス)。両方とも壁一面に広がった巨大スクリーンで、光の反射を抑えるなどの工夫がされており、IMAXと遜色のない高画質。シャトルの造形や地球にかかる雲、街の光までボケずに、高精細に映し出していたし、3Dも奥行き感、立体感、深度ともにちゃんと無重力世界に“違和感なく入りこめる”クオリティだった。




サウンドのクオリティはこれまでIMAXの独走状態だったが、ドルビーアトモス は昨年11月にTOHOシネマズが日本で初めて導入した 最新音響システム。冒頭にドルビーアトモスの効果をPRするプロモ映像 が流れるが、その臨場感は群を抜いており、緻密性でいえばIMAXサウンドを凌駕している。特に本作のようなサウンド設計がしっかりした作品ほどアトモスとの相性は抜群にいい。


オープニングのあの“けたたましい音響”は、アトモスだとまさに“耳をつんざく”感じだったが、通常の劇場だとフィルターを2枚ぐらい重ねたような高音にキレがなくなり、圧倒的に物足りない。最後、虫が飛ぶ音の移動感とか、ああいう自然音の再生はアトモス効果が想像以上に大きい。ULTIRAは音響再生にも気を配られているので、TCXよりも音の広がりがあったように感じられた。ちなみにイオンシネマでは正面、左右、後方、天井と計47台のスピーカーを配置してるとのこと。



よって個人的な印象としては・・・・


IMAX
画質:10 3D:10 サウンド:8


TCX・ドルビーアトモス
画質:9 3D:9 サウンド:9


ULTIRA・ドルビーアトモス
画質:9 3D:9 サウンド:10


一般劇場(日本語吹替)
画質:7 3D:7 サウンド:6


といった感じ。

なので、できるだけ設備のいい劇場で観たほうが『ゼロ・グラ』の真価が発揮されるワケです。

イオンシネマの3ヶ月1万円パスポートを使ったとはいえ、ULTIRA・ドルビーアトモスという最新最強バージョンをたった300円で体験できたことは至福の喜び。わざわざ海浜幕張まで足を運んだ甲斐があったというもんです(そう何度も来れる場所じゃないのでこの日は『ハンガー・ゲーム2』『エンダーのゲーム』もULTIRAでハシゴ鑑賞)。ちなみにイオンシネマ幕張新都心は昨年12月20日にグランドオープンしたばかりの出来たてホヤホヤで、館内はまだ新築っぽい匂いが漂ってました。にひひ



極上の映画体験に感動を禁じえない傑作。やべ、また観たくなってきた。




『ゼロ・グラビティ』 90点

●満足度料金/1500円 ラブラブ!ラブラブ!



予告編




アルフォンソ・キュアロン監督の息子で本作では脚本を手掛けているホナス・キュアロンが演出した短編スピンオフ『Aningaaq』




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