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シネトーク180『ジャンゴ 繋がれざる者』●タラの映画愛を感じ取れるやつだけついてこい!的な

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ブルーレイ&シネマ一直線


白い映画には愛を捧げラブラブ! そうでない映画には鉄槌を下すパンチ!
たいむぽっかん
ぶっちゃけCINE TALK!!!

●今日のぶっちゃけなシネ言

「イオンシネマの3カ月フリーパスを入手するべく、イオンカードに入会してもーた」



シネトーク180
『ジャンゴ 繋がれざる者』

DJANGO UNCHAINED




監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス/クリストフ・ヴァルツ/レオナルド・ディカプリオ/ケリー・ワシントン/サミュエル・L・ジャクソン/ドン・ジョンソン/ジョナ・ヒル/フランコ・ネロ


2013年米/コロンビア/165分/シネマスコープサイズ/ソニー・ピクチャーズ配給(2013年3月1日公開)


●作品解説
『キル・ビル』『イングロリアス・バスターズ』のクエンティン・タランティーノ監督が、南北戦争直前の黒人奴隷制を真正面から取り上げつつ、マカロニウエスタンへの愛を爆発させた痛快バイオレンス・アクション。南北戦争勃発前夜のアメリカ南部。賞金稼ぎのドイツ人歯科医キング・シュルツは、お尋ね者三兄弟の顔を知る黒人奴隷ジャンゴを見つけると、彼の鎖を解き放ち、三兄弟の追跡に繰り出す。その後、ジャンゴの腕を見込んだシュルツは、彼を賞金稼ぎの相棒にして2人で旅を続けることに。しかし、そんなジャンゴが真に目指す先は、奴隷市場で生き別れた最愛の妻ブルームヒルダのもと。やがて、彼女が極悪非道な農園領主カルビン・キャンディに売り飛ばされたことを突き止めたジャンゴとシュルツ。2人はキャンディに近づくため、ある周到な作戦を準備するのだが・・・。(all cinemaより一部抜粋




※ネタバレしてます! ご注意を!




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タラの手にかかると俳優がなぜかイキイキしている


そりゃ名作と呼ばれる有名どころの西部劇は押さえているし、好きな作品も多いんだけど、実はそれほど西部劇に詳しいわけでもなく、自ら進んで観るほど大好物ジャンルというわけでもないんですね。しかし、我らのタラちゃんが西部劇(本作の場合、この言い方は正確じゃないけど)を撮った!ということで、やっぱり観ないわけにはいきませんなあ・・・・。もうずっと前ですけど劇場では2回観ました。にひひ


やっぱりタラ映画の醍醐味って、特化したジャンル映画を濃厚なタラ味に仕上げて、例えあんまり興味のないジャンルの映画だったとしても俄然観たくなってきて、しかも実際観たらしっかりと楽しませてくれる、というところなんでしょうね。タラちゃんはレンタルビデオのバイト時代にありとあらゆる映画を観まくったチョー映画っ子だし、あくまでも映画ファンとしての視点で撮っているから、映画オタクとは抜群に相性が良い。一方、年に2、3本ぐらいしか観ないようなお客さんとは相性が悪かったりするけど。にひひ



で、本作はどうか。『イングロリアス・バスターズ』級に惚れ込んではいないけど、やっぱりタラちゃんの映画愛がスクリーンから感じとれただけでもう満足やねん!というぐらい面白かったです。グッド!


ナチなんかぶっ殺せ~!とタラの叫びがスクリーンに焼きついた『イングロ』に続いて、本作も「史実なんか知ったことかボケェ! ハリウッドが避けてきた黒人奴隷映画をオレさまが見せてやる! しみったれた歴史映画なんか興味ねー! 黒人なめんなYo!」と、タラちゃんの脳内で自由に改変されたHOTな歴史歪曲ジャンルムービーに仕上がってます。これはある意味、挑戦的な作品であり、そしてある意味、究極の自己満足映画なんだけど、理解のあるファンはしっかりとついて来てくれる。その証拠に、タラ映画史上最高のヒット作(世界興収は4億2536万ドル)となりましたから。



やっぱりキャスティングの妙に尽きます。


『Ray/レイ』でオスカー男優の箔がついているはずのジェイミー・フォックスなんだけど、本作では「新人発掘されてきた男優」感が漂うんですよ。なんか初々しい。初めは人間扱いされない奴隷だった彼が、徐々に一流ガンマンとしての魅力、風格を漂わせていく。タラちゃんが165分丸々使って、演技もままならない出来損ない俳優に磨きをかけていって、ラストではその俳優にホレボレさせちゃうような。そういう見せ方が格段に上手いんですヨ。グッド!

これが当初、予定されていたウィル・スミスだったらどうよ? おそらくダメだったでしょう。彼の知名度からして「初々しさ」を引き出すのはもうムリだろうし。にひひ


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とにかくタラちゃんは俳優をコントロールして、魅力を引き出すのがめっちゃウマイ。


『イングロリアス・バスターズ』では「すっげーヤなやつ」だったクリストフ・ヴァルツを圧倒的な説得力をもたせて、最高の存在感で魅せたタラちゃんだったけど、こっちでは180度違う「すっげーイイやつ」として登場。それでもヴァルツが演じると、やっぱり抜群の説得力で違和感なくすんなりとそういう人に見えちゃうから不思議デス。例えば、どう見ても悪人ヅラのレイ・リオッタが善人キャラを演じるとウソくせってなるでしょ? 


ヴァルツの卓越した演技力もあるけど、それを引き出して、俳優、キャラを魅力的に見せるタラちゃんの功績がやっぱりでかい。ニコニコしながら相手を躊躇せず撃ち殺す冷酷な顔はちょっとランダ大佐を思い出し、「やっぱりコイツ、ランダだよ!」と嬉しくなったりね。にひひ 『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』と『グリーン・ホーネット』のヴァルツはそれほど魅力的じゃなかったしすぐに忘れちゃったけど、タラの手にかかるとどの俳優さんもイキイキとしてて、強烈な印象に残るんですよ。2個目のオスカー像を持っていったのも納得。


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サミュエル・L・ジャクソンの憎たらしいクソジジイっぷりもホント、サイコーです。グッド! 一見、ボケてるように見せかけて、実は鋭い人間観察力を持ち、相手の正体を見破るジジイという、あの特異性。キャンディ邸でのエピソードではディカプリオよりもジャクソンのほうが印象に残ったぐらい。会話の途中にいちいち口を挟んできて、ディカプリオが若干イラついている掛け合いとか笑えましたし。にひひ 個人的には『パルプ・フィクション』のジュールスと並ぶ当たり役だと思ってるんですけどね(『SW』のメイス・ウィドゥは実はそんなに好きじゃない)。彼のスピンオフ映画を観たいと思ったぐらいですから。


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キャスティングで唯一懸念したのは、レオナルド・ディカプリオ。正直、彼が起用された時は、知名度がジャマしちゃってキャラを殺しちゃうんじゃないか、と不安に感じたけど、全然、無問題でした。まさに適役。

奴隷同士で殺し合いをさせてハシャいでる時のあのクソガキ感は、ディカプの童顔が相まって、もう グッド! です。悪党キャラとしてはまさにベストな登場シーン。彼が出てくるまで1時間3分も待たされただけのことはあります。で、ジャンゴたちの正体がバレる一連のシーンでの、人骨を持ち出して本当はメチャ怒っているのにテンション抑えめに延々と会話する → 突然、ハンマーを持ってプッツン!の切り替え演技がこれまた絶妙で。


やっぱり俳優を生かすのも殺すのも監督しだいなんだと、としみじみ。


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ムダに会話が長くなるのはタラ映画の特徴なんだけど、今作ではそのダラダラ会話劇にちゃんと意味を持たせ、かつ緊迫感が途切れない演出の工夫をしているのはさ・す・が。『デス・プルーフ』でマジで苦痛に感じた女子会的なダラダラ会話と今回の会話劇は意味合いが全く違う。なので、その会話劇を楽しんだ人は165分という長さでありながらも充足感に浸れるし、つまらなかった人はさぞや地獄だったことでしょう。にひひ


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チョー長い会話劇をガマンすれば、タラちゃんはご褒美の銃撃戦でしっかり楽しませてくれマス。特にキング・シュルツが殺された直後の撃ち合いでのカタルシスは最高。グッド! 楯にした死体に風穴が開いたり、血と肉が飛び散る 血 時のブシュ!ビチャー!という生々しい音のシーン効果も抜群で、絶大に盛り上げてくれる。頭が吹き飛ばされる程度のグロ描写はあるけど、個人的はR-15にする必要あるかな?と少々疑問。ドン引きするほどのバイオレンス描写はなかったし、むしろ『イングロ』の頭皮剥ぎのほうがよっぽど悪趣味だったけどね。ドクロ


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ただね、捕まったジャンゴがフルチンで逆さ吊りにされて(ああいうボカシ、もういらないっしょ? いい加減、修正基準を見直せ、天下り映倫ども!パンチ!)、タラちゃん演じる奴隷商人に連れて行かれて、また屋敷に戻ってドンパチ戦を繰り広げるくだりはちょっとクドいし、あそこでテンションが若干下がってしまった。だったら、キング・シュルツ死ぬ → ジャンゴ、フルチン → 隙を見て反撃に転じる → 撃ち合い、大爆破! で、いいんじゃね? タラちゃん出演の奴隷解放シーンは「奴隷の怒りと反逆の精神」を描いているつもりなのかもしれないけど、それはもうオープニングでやっちゃっているしさ。



憎たらしいディカプの最期も意外とあっけなくて、ちょっとカタルシス不足。「ダイナマイトを体に巻きつけて木っ端微塵にするぐらいハデにやれよ!ジャンルムービーなんだから!プンプンと思ってたら、それはタラちゃん本人がやってたからワロタけどね。多分、タラちゃんも自分の見せ場を入れておきたかったんでしょう。オイシイとこはオレが持っていく!みたいな。にひひ


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相変わらずタラちゃんの音楽センスは素晴らしくナイスな選曲をしてて、それがしっかりシーンとフィットしている。冒頭にかかる「ジャンゴのテーマ」からグッとつかんでくる。こういうこだわりってやっぱり重要だし、タラ映画を観た後は必ずサントラが欲しくなっちゃうんですよ。案の定、アマゾンで買ってしもうた。



オマージュ、リスペクトも色々と盛られていたけど、ま、それはパンフや他のサイトで詳しく解説してるので、ここでは割愛。パンフはやっぱり『映画秘宝』ライターチームによるマニアックな内容になってて、読み応え充分なんだけど、横開き仕様はマジで読みづらいのでやめてください。せっかく中身の濃いパンフなのにモッタイナイ。



タラちゃん、次回作も「西部劇」をやるとのこと。個人的には「古典的特撮映画をリスペクトしたSF」とか、『デビルスピーク』みたいないじめられっ子が復讐で血祭りにあげるオカルト・ホラー(いわゆる『キャリー』の男の子版)をやってほしいなあ。絶対面白くなりそう。




グッド!ココGOOD!  初々しいジェイミー・フォックス/イイ人、クリストフ・ヴァルツ/キレるレオナルド・ディカプリオ/疑うサミュエル・L・ジャクソン/ブチャ!グチャ!な血みどろ銃撃戦/ダラダラしてるように見えて実はそうではない長~い会話劇/サントラが欲しくなる音楽/バイオレンス的なカタルシス/名作西部劇のリスペクト&オマージュ/上出来なパンフ
爆弾ココBOMB!  それでもやっぱり長い/クライマックスの二段落ち/人によっては「退屈」「自己満足映画」に見えちゃう/時代錯誤なボカシ/パンフが読みづらい



『ジャンゴ 繋がれざる者』 75点


●満足度料金/1200円 にひひ









 

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