面白い映画には愛を捧げ そうでない映画には鉄槌を下す
たいむぽっかんの
ぶっちゃけCINE TALK!!!
●今日のぶっちゃけなシネ言
「スクリーンサイズの調整をしない映画館はダメだと思う」
シネトーク177
『キャリー』
CARRIE
監督:キンバリー・ピアース 原作:スティーヴン・キング
出演:クロエ・グレース・モレッツ/ジュリアン・ムーア/ジュディ・グリア/ポーシャ・ダブルデイ/アレックス・ラッセル/ガブリエラ・ワイルド/アンセル・エルゴート
2013年米/MGM/100分/シネマスコープサイズ/ソニー・ピクチャーズ配給(2013年11月8日公開)
●作品解説
スティーヴン・キングの同名小説を基に、一人の少女が引き起こす惨劇を描いたブライアン・デ・パルマ監督による76年の傑作学園ホラーを『キック・アス』のクロエ・グレース・モレッツ主演でリメイク。共演は『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーア、監督は『ボーイズ・ドント・クライ』のキンバリー・ピアース。
高校に通う内気な少女キャリー。狂信的な信仰にとらわれた母親の過度な束縛によって、まともな友だち付き合いもできずに陰湿なイジメに晒される辛く孤独な日々を送っていた。そんなある日、キャリーに対するクラスメイトのイジメが一線を越え、関わった女生徒が学校から処分を受ける事態に発展する。これを不服に思った主犯格のクリスはキャリーへの憎しみを募らせる。一方、いじめを反省したスーはせめてもの償いにと、キャリーをプロムに誘ってあげてと自分の恋人を説得する。そんな中、念じるだけで物を動かす不思議な能力に目覚めていくキャリーだったが・・・。(all cinema
より)
※ネタバレしてます! ご注意を!
スペイセクの「七変化」がクロエは「三変化」で留まっている
1976年のデ・パルマ監督のオリジナル版(以下76年版)はまだ観てない時点で既に「ちょいトラウマな映画」でして。というのも、当時の貴重な映画情報源だった『ロードショー』誌に載ってた血まみれのシシー・スペイセクの写真が強烈に印象に残ってて、てっきりこの女がジェイソンみたいな殺人鬼なんだと思い込んでたんだけど、でもその写真↓はなぜか泣き顔なので「どういう映画なんだ、コレ?」ってずっと思ってたんですよ。で、中学の時にレンタルビデオで観て「ものすごく悲しいホラー」 だったことにすっかり打ちのめされてしまい・・・・。そこから、ブライアン・デ・パルマがボクの「とにかくスゴイ監督」リストに入ったわけです。
多感なお年頃だった時に、いきなりスローで女子更衣室をじっくり見せるオープニングに、ヘンにドキドキしちゃって、それからナンシー・アレンのトリコにもなっちゃいましたから。その後に観た『殺しのドレス』も実にス・テ・キなナンシーが拝められ、「奥さん(当時)をキレイに撮るのがウマイなあ、デ・パルマは」とか思ったりね。ただ、当時はシャワー室で全裸でイジめられているキャリーのシーンがすごくイヤで、そこからずっと生理的嫌悪感みたいなものがずっとついて回り、さらにああいう悲劇的な結末で終わるもんだから、「イヤなもの」と「可哀想なもの」を共有するモヤモヤ感みたいなものに襲われてしまい・・・。「後味ワル~~っ
」なんだけど「スゴイものを観た」というのがオリジナル版の印象だったんですヨ。


血まみれキャリーが念動力(テレキネシス)を覚醒させて、イジメてきたやつらを皆殺しにするシーンは勧善懲悪的に面白くなるかあ~!?と思った矢先、キャリーを庇っていた優しい先生まで殺されちゃうもんだからそこでまたトラウマ。
凄惨なプロム・シーンの後におとずれるキャリー母娘の最期でまた物悲しい気分にさせられ・・・・と思いきや、手がニョキ!のエンディングにチョービックリ!!!! 今ではお約束となったホラー映画でのドッキリ演出が、まだそんなに定着してなかったので、当時はあのドッキリ演出に心底驚いた人が多かったようです。しかも最近のホラー映画に必ずあるドンッ!と音だけでビックリさせる稚拙なヘッポコ演出ではなくて、ニョキと手が出てくる絶妙なタイミングと、ピノ・ドナッジオの美しいメロディが一転してそれほどハデに驚かさないビックリ音楽と、悪夢から飛び起きるエイミー・アーヴィングのおののき演技が完璧にマッチしているもんだから、もうね、シメとしてもパーフェクト!なんですよ。
その76年版『キャリー」にあった「生理的嫌悪感」や「適度な緊迫感」、キャリーがウジウジ少女から覚醒する「悲劇的恐怖感」を今回のリメイク版でどこまで継承しているか、はたまたオリジナルとはどう違ったアプローチで魅せてくれるか。
クロエちゃんでリメイクされるという情報を知って真っ先に「ヒットガールがキャリー? 大丈夫か?」と心配になったけど、小出しにされる写真や予告編を見て「おお、コレはアリかも」と好意的に見られ、監督が『ボーイズ・ドント・クライ』で“女性”の重苦しい愛の物語で魅せてくれたキンバリー・ピアースだから、前評判と期待値が結構高かった。
それがいけなかったねえ、期待値上げすぎた。
クロエは血まみれになってすっげー頑張ってるし、一定のクオリティまで仕上がっているんだけど、やっぱり76年版と比べるとどうしても見劣りしてしまう・・・・。正直、食い足りない。
そりゃ原作が同じだからしゃーないとしても、見せ方やアプローチの仕方もほとんど76年版と同じなので「同じもの観てる」感が強くて。76年版では限界があった映像表現をCGや特殊効果でよりハデにしているものの、それはリメイクする条件の「当然」の部分なので、作品的評価にはあまりつながらない。ここまで同じだと「リメイクすることの意味」に疑問を感じてしまう。
そもそもクロエがね、やっぱり可愛いんですわ。これは懸念してたことだけど、やっぱりいじめられっ子に見えない。むしろイジメる側だよなあ。
まずプールでの授業シーンから入るファーストカットから失敗してる。水着姿になったクロエって肩幅が結構広くて、76年版キャリーのような「小動物感」「適度なブサイク感」が全く感じられないんですよ。だからオドオドしてても、もうひとつ説得力に欠けるというか・・・。いじめっ子をいとも簡単にハッ倒しちゃいそうなガタイのよさなんですね。
撮影時のクロエはキャリーと同年齢の15歳だから、むしろ76年版よりも「女子高生感」はあるはずで、♪大人の階段のぼる~~的な多感な年頃を演じるにはまさに適役なわけです。ちなみに今調べて気づいたんだけど、76年版撮影時のシシー・スペイセクは26歳で、ナンシー・アレンは25歳。え? そんなに年いってたんだ。それでも違和感がなかったのはやっぱり彼女たちがその「女子高生感」をきちんと作り上げていたから。37年前の食生活に比べて、現代の女子高生はイイモノばっかり食ってるからガタイがよくなるんでしょうね。そういう意味では現代的なキャリーなんだけどね~。
同じようにシャワーシーンもあるけど、今回はPG12指定映画なのでヌードはNG。普通、ここでボクが「しっかりオッパイも見せんかい!」と下品なことを言ってるんですけど、さすがに15歳のクロエが全裸をさらけ出しちゃうと児○ポルノに引っかかるし、「コイツは変態ロリなのか」と思われたくないので、今回は自重します。
ま、クロエもこれまでの出演作の中では最も露出していますけどね。
76年版のキャリーは自分に超能力があることに恐れ、しまいにはコントロールできず覚醒してしまうんだけど、今回はビクビクしていた彼女が念動力を得て自発的に操ることで「女性」としての自信を身につけていくところも大きな改変ポイント。「あ、私って超能力あるんだ。ニヤリ」ってね。 プロムに着ていくドレスを自分で縫いあげるなど、女性らしい一面もより強調しているんです。そのかわり、能力を制御できない「苦しみと葛藤」感はほとんどなくなっちゃったけど。プロムでの惨劇は明らかにキャリーが標的を選んで殺していたからね。
で、一番残念だったのが、76年版ではしっかり描かれていたキャリーの「絶望感」が今回は思ったほど感じられないんですよ。スペイセクが見せた「七変化」が、クロエだと「三変化」ぐらいで留まっちゃっている。これって結構、致命的な部分なんだけどね。 つまりどういうことかと言うと・・・・
1 クラスメイトからのイジメでオドオドしているキャリー
2 ステキな男子にプロムに誘われ、戸惑いながらも乙女心を開花させるキャリー
3 初めて母親に反抗、自分の殻から抜け出そうとするキャリー
4 プロムで幸せを噛みしめ、女性として最高に美しい瞬間を見せるキャリー
5 血まみれにされて絶望のどん底に叩き落とされるキャリー
6 自我を喪失し能力を覚醒するキャリー
7 母親に恐怖し、悲しみに暮れるキャリー
76年版では、7つの喜怒哀楽的な心情や心の機微を繊細かつ大胆に演じたスペイセクの功績ってものすごく大きかった。しかし、クロエのキャリーだとそれがどうも薄味になってしまい、前より比べてはっきりと感情移入しずらくなっているんです。キャリーの苦悩、歓喜、悲哀、狂気に今ひとつ踏み込めておらず、ゆえに胸にグッと迫るものが希薄になっているのはやっぱりダメでしょ。プロムで幸せの絶頂期を迎えた時の美しい微笑みが、豚の血で汚され地獄に叩き落とされて絶望した時のスペイセクのあの強烈な表情。あのインパクトには全く及んでいない。
あと、先生の昔の恋バナにキャリーが心をときめかせて聞く場面が入っていないのも論外。今回のキャリーは先生の命は奪わないので、その衝撃的展開の効果も薄れちゃっているし。
76年版で、なぜキャリーがあれだけ親身に接してくれていた先生を殺めてしまったのか、ずっと違和感に感じていたんです。会場のみんなが血まみれのキャリーを笑っているあのカットは、「私は笑われ者なの!」とキャリーの思い込みから暴走した「被害妄想カット」であって、先生は本当は笑ってたわけじゃないんですよ(会場に来ていたスーがキャリーに何かをすると思い込んで彼女を追い出した先生が手のひらを返して笑うのはどう考えても不自然)。なのに、キャリーが先生も殺めてしまうのは能力を制御できなくなったからで、直前まで2人の仲むつまじい姿を見せたあの恋バナシーンがあったからこそ、暴走したキャリーの暴力性と悲劇性がより際立ったワケです。しかし、それも「ナシ」にしちゃってるのは、やっぱり今の映画レイティングに合わせた改変なのかなあと残念に思ったり・・・。 「後味の悪い映画を好まない」昨今の観客に気を遣った改変なんですかね。なんだかなあ。
見せ場である豚の血ぶっかけシーンでは、76年版はデ・パルマ・カットの真骨頂で、トリッキーなスプリットスクリーン(分割画面)演出がもう見事すぎて、観返すときはいまだにあのシーンだけ3回ぐらいリピート再生します。 あの10分足らずのシーンでホラー映画史に刻まれる名作になったことは間違いないですから。
しかし、今回はそのトリッキー演出としての魅力的な部分は引き継がれず、キャリーがダークサイドに堕ちたアナキンのように相手の首を絞めたり、炎の少女チャーリーのように火を飛ばしたりと、ハデめなギミックは確かに見どころなんだけど、演出としての工夫はもうひとつ。76年版にはなかったキャリーが浮遊しちゃうシーンは好きですけどね。あの時のクロエの「おまんら、許さんぜよ!」な表情はマジで最高。
興奮しすぎると鼻の穴を膨らませるのは彼女の十八番芸で、お鼻ピクピクが気になってしゃーなかったです。
いじめっ子のクリスがキャリーのあられもない姿を携帯の動画で撮り、それをネットにアップ。さらにこの動画をパーティシーンでも流すという、いじめシーンは現代的になり、76年版よりもより陰湿かつ悪質化。
いじめがより惨たらしくなった分、キャリーの逆襲も“10倍返し”に。76年版よりも優っていたのはクリスの最期のシーン。前はキャリーがクリスと恋人ビリーが乗る車を瞬時に爆破してたけど、今回はキャリーの怒りが増幅されている分、ついに念動力で車を浮かせちゃうんですヨ。ガソリンスタンドに突っ込んだ車のフロントガラスを突き破り、クリスは顔面血だらけで悶絶。豚の血で汚されたキャリーと、血まみれで瀕死状態のクリスの対比描写は良かった。で、最後は爆死させ、まさに“二度殺す”状態。
ただ、76年版ではナンシー・アレンがジョン・トラボルタをたきつけてイジメに協力させていたけど、今回はクリス以上にビリーが加担。しかしここはやはり彼女が率先して動かないとダメなのでは。ビリーは別にキャリーに恨みがあるわけでもなく、ただ「イジメを面白がってるだけ」のサイテー野郎なんですよ。 そのくせ、やる直前になって「俺たちは大変なことをやってるんだぞ」と言い出すもんだから、彼の真意が今ひとつ分かりにくい。そういうサイテー野郎なのだから、コイツの最期ももっとカタルシスのあるハデさがほしかった。会場で動画を流したイジメ仲間の女子を火だるまにして殺したんだから、この男は『スキャナーズ』みたいに念動力で頭を爆発させちゃえばヨカッタのに、とかね。
キャリーママのマーガレットを演じたジュリアン・ムーアはやっぱり演技派だけあってパイパー・ローリーに決して劣らない存在感で魅せてくれます。 自傷癖のある母親をほぼスッピンで怪演し、76年版とはまた違った怖さと不気味さがある。自宅で出産したキャリーを殺そうとするオープニングから狂気性を放ち、76年版にはないこの出産シーンを加えることで、性は罪悪であるという偏見的思想や狂信的な信仰心を抱くようになった彼女の異常な人物造形にも深みが増しています。
ただですね、マーガレットが絶命するシーンも全く同じ展開なんだけど、ここも76年版の圧倒的なインパクトに勝てていない。これまで異常人物だった彼女が最期は安らぎを得たような微笑んだまま“磔のイエス・キリスト”状態となって死んでいく姿をカメラがゆっくりと引いていくあの場面は、76年版の「最も美しいシーン」なんだけど、そういう「美しさ」が継承されていないのも残念だったなあ。
ところで、破られたドアからマーガレットが手をニョキと出してくる場面は『シャイニング』のオマージュなのかな?とか思ったり。考えすぎか。
一緒になってキャリーをイジめていたスーの設定も若干変更。実は彼女は妊娠しているという設定が新たに加わっている。
76年版のスーの行動にちょっと納得できない部分があって、いくら罪滅しだからって自分の彼氏にキャリーを誘わせるようなことをするだろうか、と。あそこのシーンは今観ても多少のむりくり感が否めないけど、今回はそこを上手く改変していて「罪滅ぼし」に「つわりによる体調不良」を付け加えたことで、スーがプロムに行きたがらない設定に一定の説得力があります。彼女の「いいヒト」キャラ感も76年版よりも強調。
スーを妊娠させたことで続編への布石を残すような感じになっていて、彼女の妊娠に最初に気づいたのは実はキャリーで、ラスト、家が崩れる瞬間、彼女のお腹に触り、スーを外に飛ばして助けるんですよ。もしやキャリーは死ぬ直前、サイキック・パワーを利用して彼女の胎児に「輪廻転生」しちゃったのか?とか思ったりね。もしそうだったら、後味悪すぎっ。
で、ラスト、キャリーの墓が映し出され、76年版の“手ニョキ”を凌駕するショックシーンが用意されているのか!と構えていると・・・・・・。う~~む、あの見せ方、あんまし効果的じゃない。プロダクション・ノートには「今回のエンディングは夢オチではなくリアリティを重視した。“現実に起こり得るかも”と観客に思わせることに成功している」と書かれていたけど、イヤイヤ、全然成功してないし。あんな安っぽいシーンをもってきたことで一気にB級臭くなっているし、シマリもない。モッタイナイ。 エンドロールに流れる主題歌も今風にもってきたのかもしれないけど、作品イメージと全然合ってない。
ただ、今回のリメイク版を振り返ってみると、やっぱり女性監督ならではの視点による改変ポイントが実は一番大きい。「女性」をより強く打ち出しているし、「血」に意味を持たせているんです。
冒頭でマーガレットが血を流しながらキャリーを出産し、キャリーが初潮を迎え、スーが妊娠をして新しい血を宿し、キャリーと母親が血を流して死んでいく。性を受け入れ、生のために流す「血」を象徴的に切り取る。しかし、クリスには生を断ち切る「苦痛の血」を与えるというね。そういえばオープニングのタイトルにも「血」が滴っていたし。
リメイク版で初「キャリー」の人にはフツーに楽しめる青春ホラーだけど、やっぱりボクみたいにデ・パルマ版を心酔しているファンからしたら、オリジナル版を超えるにはハードルが高すぎた。もうちょっと違うアプローチからリメイクしていれば良かった気もするし、やっぱり「オリジナルをなぞっているだけのリメイク」感だけが残ってしまったのは残念。
そういえば76年版には23年後に続編『キャリー2』が製作されたけど、あれは誰の目から見ても失敗作。今回のリメイク版もロッテン・トマト評価では46% と芳しくなく、製作費3000万ドルに対し、世界興収は4347万ドルと成績も今ひとつ。続編は難しいでしょうね。
あ、あと、パンフレットは色々と書いてあって読み応えあるんだけど、複数の映画ライターによる似たり寄ったりなレビューが多すぎ。ライターに原稿を任せるときはもっと書き分けてもらわないとダメなのでは。
ココGOOD! クロエちゃんは頑張っている/いじめシーンが76年版よりも陰湿&悪質化/プロム惨劇シーンがよりハデに/76年版よりキャリーの女性らしい一面を強調/クロエの鼻ピクピク/ジュリアン・ムーア!/スーのキャラ設定若干変更/「女性」を強く打ち出し「血」に意味を持たせた演出
ココBOMB! 76年版とほとんど同じ。見劣り感は否めない/クロエがいじめられっ子に見えない/クロエ・キャリーは「三変化」。キャリーの苦しみや葛藤、絶望感があまり感じられず/グッと胸に迫るものがない/プロム惨劇シーンのトリッキーな演出は76年版の方がいい/マーガレットの最期のシーンは76年版のインパクトに勝てず/エンディングのビックリ演出
『キャリー』 65点
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