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シネトーク172『ガッチャマン』●「観客の死んだ目が見えるか 製作者ども!」

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白い映画には愛を捧げラブラブ! そうでない映画には鉄槌を下すパンチ!
たいむぽっかん
ぶっちゃけCINE TALK!!!

●今日のぶっちゃけなシネ言

「ダメな映画やドラマの法則:セリフでキャラの心情を全部説明してしまう」




シネトーク172
『ガッチャマン』



監督:佐藤東弥 原作:タツノコプロ 脚本:渡辺雄介
出演:松坂桃李/綾野剛/剛力彩芽/濱田龍臣/鈴木亮平/初音映莉子/光石研/中村獅童/岸谷五朗


2013年/日活、日本テレビ/113分/シネマスコープサイズ/東宝配給(2013年8月24日公開)



●作品解説
70年代に一世を風靡したタツノコプロ制作のTVアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』の初の実写映画化。
21世紀初頭、謎の侵略者“ギャラクター”が宣戦布告し、わずか17日間で地球の半分を制圧されてしまう。ギャラクターに対抗すべく、ISO(国際科学技術庁)は超人的な力を引き出す未知の結晶体と適合した者を幼いころから究極の兵器として育て上げ、5人の若者たちが特殊エージェント“ガッチャマン”として強大な敵に立ち向かう。




※ネタバレしてます! ご注意を!

青字=ホメてる部分、紫字=けなしてる部分。おかげでだらけにひひ




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三角関係にウジウジしてるガッチャマンなんて誰が観たいよ?


『パシフィック・リム』とか『マン・オブ・スティール』とか、まだシネトークしてない夏映画がしこたまあるのに(仕事が忙しくてチンタラやってるボクが悪いんだけど)、なんで話題騒然となっている迷作『ガッチャマン』を先にトークするのかと言うと、来週には上映が終わっちゃいそうだからです。それと3日もすれば全部内容を忘れちゃいそうな作品なので、記憶のあるうちにグチをぶちまけ・・・・いやトークしておこうかなと。


ぶっちゃけですね、劇場で観る必要は微塵コもないし、レンタル、いや、1年後には放送しているであろうTVの前で寝そべりながら観る程度で十分です。にひひ
しかしまあ、気力だけでなく、これほど観る者の精気を奪い取り、脱力させてくれた映画は久々かも。鑑賞後はボクもスペース・バンパイアに精気を吸い取られた状態になっちゃいましたぜ。ガーン 今、死力を振り絞ってPCのキーを打っている状態デス。にひひ

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公開直後から不評・酷評・悪評が耳を塞いでいてもアチコチから入ってくるなか、ボクは公開2週間後ぐらいに、断腸の思いで観に行ったんですけど、なーんと観客はボク1人だけ!!!! 久々の1人劇場。しかしまだ2週間なのに、いくら平日の夕方とはいえ、観客がボクだけってヤバくないか? 全くヒットしてないという情報はヤフーのトップニュース でも珍しく取り上げられていたけど、この感じだと10億どころか、5億すら到達できないのでは。でもまあ、この出来じゃ仕方ないか。同情できまへん。


てか、109シネマズの人に感謝。割引デーで観たので1000円しか払ってないのに、こんな映画をボク1人のためだけに上映してくれて。にひひ 1回の上映にかかる電気代がどれぐらいかは知らないけど、クーラーもガンガンに効いてたし、「1000円しか払ってないから絶対赤字だろうなあ」と逆に何か申し訳なくなって・・・・。なので、ファンタとポップコーンとホットドッグを買って売り上げに貢献させていただきました。ファ○タpopcorn*ホットドッグ


1人劇場だったので、自分の部屋にバカでかいプロジェクターで映画を観るような超リラックス・モードで楽しみました。
で、自分の感情や思ったことを遠慮なくさらけ出してね。「オイオイ」「はあ?」「何言ってんの、オメー!?」「あんた、バカあ!?」「うひゃ~、やっちゃったよ」とスクリーンに罵声を浴びせ、露骨な舌打ちと大きなため息、そしてたまに爆笑というね・・・・。そのあまりの脱力させる出来に腸の働きがおかしくなったのか、オナラもプップッ出まくり。にひひ やっぱ1人劇場、最高ッス。



『ガッチャマン』が実写映画化されると聞いた時、メンバー5人のキャスティングにはかなり不安があったけど、それ以上に不安だったのが佐藤東弥監督の起用。ドクロ 日本映画史に残るカルトSF『北京原人 Who are you?』の佐藤純彌監督を父に持つだけに、“大味な迷作”のDNAを受け継いでいるのかもしれないこの息子さんは日テレの社員監督なんだけど、映画は本作を除いて『ごくせん THE MOVIE』『カイジ 人生逆転ゲーム』『カイジ2 人生奪回ゲーム』の3本だけ。どれも映画としては全然ホメることができないこの3本しか撮ってない監督になぜ任せたのか。ガーン SF映画を手掛けたことがないドラマ畑の監督なんかに任せてはたして大丈夫なのか? もっと適任な監督が他にいるのではないか?と、監督の人選が一番の不安材料だったわけです。


しかし、その不安は見事に的中。プンプン やっぱりSFのセンスがない人、映画的演出力の乏しい人に任せてはいけないことを立派に証明してくれました。日テレ、やってくれましたなあ。


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今回の実写映画化で思い出されるのが三池崇史監督の言葉。タツノコから『ガッチャマン』映画化をオファーされた三池監督は「今の日本映画では『ガッチャマン』が作れるほどの製作現場が整っていない。『ダークナイト』級の演出ができる監督でないと無理だろう」と断り、それが結局『ヤッターマン』の企画に変わっていったという話は有名です。
それから5年、
タツノコは三池監督の“忠告”をすっかり忘れたようで、『ダークナイト』級の演出力のある監督とは絶対に思えない佐藤監督にオファーを出し、製作環境が全く整っていないまま、決して手を出してはいけないプロジェクトにGOサインを出したわけです。


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その無残な“爪痕”が作品のアチコチに出ています。


案の定、世間では酷評、不評の嵐。じゃあ、ボクは逆に本作の良いところを見つけてあげようという姿勢で臨んでみたのですが、う~~ん、無理。ギブっ!ショック!
強いて言うなら、序盤のキャタローラー戦、初音映莉子のドロンジョさま・・・・・ぐらいか。
それだけかいっ!にひひ



開き直ってツッコむ覚悟で気軽に楽しんでやれ!というライトな気持ちに切り替えたんだけど、中二病に冒され、整合性ゼロ&矛盾しまくり&テキトーすぎる脚本に「ムカつき」「イライラ」ばかりが先行しちゃって、そのライトな気分でさえブチ壊してくれるというね。もうなんだか・・・・。ガーン


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予告編を観た時から「うひゃー、BOMB臭がプンプンする映画だなあ」と既にデンジャーゾーン映画だったんですが、大半は愚作の日テレ映画だって、『デスノート』とか『桐島、部活やめるってよ』といった力作、傑作を3年に1本ぐらいの割合で出してくるので、ひょっとしたら今回も奇跡的な「アタリ映画」かもしれないという期待はありましたヨ・・・・・・・・・10%ぐらいは。にひひ



しかし開始早々、BOMB臭な展開が待ち受けるわけです。



砂浜で3人の子供が“すごい説明的なやりとり”をしていて、それが後の伏線にしているつもりなんだけど、その演出が全然上手くない。


さらにビックリしたのが、オープニングで侵略された世界の状況をゴーリキのナレーションとうっとおしい特大テロップで説明されるんだけど、ギャラクター兵たちがわずか17日間で世界の半分を支配したという『ターミネーター』の終末世界みたいなことになっているのに、次のシーンでは、東京の平和な日常風景へと移り、さっきまでの重苦しい場面は一体なんだったんだ?というぐらい、まるで深夜ドラマ的な軽~いノリの音楽が流れ出して、ゴーリキがでっかいショッピングバッグを抱えて参上!という、思わずイスからズッコケそうなる珍場面を見せられます。ショック! 大都市の東京だけがなぜか被害を免れていて、都民もフツーに生活している描写に「正気か・・・・ガーン」。


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これまで剛力彩芽に関しては、一部からは「ごり押し女優」とか色々と叩かれているけど、彼女は事務所の仕事をこなしているだけなので、そこを批判するのはお門違いだろうと思ってあまり言わないようにしてきたんですが、本作の彼女は明らかに浮いてます。明らかに場違いな存在です。ショック! キャピキャピ感&好き好きオーラ出しすぎ。しかしこれは彼女に責任があるわけじゃなく、起用したキャスティング担当者、監督、そしてこの仕事を受けたオスカーが悪いんだけどね。
健がナオミとイイ関係だった過去の話を聞いて、ナオミが既に死んだことを知った途端、「よしっ!」と喜ぶ姿はまさに「正気か・・・・ガーン」。到底、人を助けるヒーローには見えず、数々の不快な言動にまたイラッ。ま、ゴーリキも監督に言われたことをそのままやってるだけだから、やっぱり悪いのは監督なんだけど、しかし、彼女の演技力にも問題があることは事実で、ランチパックのCMと大して変わらない浅い演技を見せられた方はたまったもんじゃないです。世間のバッシングなんて気にしないポジティブな姿勢は別にいいんだけど、気にしなさすぎなのも困ります。にひひ


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そもそも、白鳥ジュンのスーツの色の変更とパンチラ封印が原作ファンの怒りを相当買っているようで、やはりパンチラのない白鳥ジュンは白鳥ジュンにあらず! なので本作は大月ジュンになりました。にひひ


今年1月に「週刊実話」の編集者が自分のエロ妄想を元にして書いただけのクソ記事が今となっては笑えます。


注目すべき剛力のセクシーシーンだが、今回は“コスプレ&パンチラシーン”の連発になるという。「アニメでも密かな人気を集めたのはジュンが悪役“ギャラクター”をキックする際に見せるパンチラ。純白のパンティーに子供達は胸をときめかせたものです。当然、実写版でも外せない。当初は黒、紫、赤などのパンティーが候補に挙がっていたが、正義のヒロインで“白鳥”という名前もあって白が定番。下着は剛力が自前で用意するそうだ。また、私服姿は基本、超ミニスカートにブーツ姿。私服でもパンチラは挿入される。当初は吹き替えも検討されたが、剛力がOKしたそうです」(事情通)  ※記事より一部抜粋


さすが「週刊実話」、1コも当たってねーし。ま、コイツら、ネットで拾ってきたネタを適当に誇張して書いてるだけなんだろうけど。素人のブログ記事以下です。にひひ


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総計2000万円といわれている衣装の出来も個人的には微妙・・・・・・。<コスプレ感>が出すぎです。ショック!
例え、センスのないチープな衣装でも、撮り方や見せ方によってはカッコよく見せることはできるはずなのに、佐藤監督にそこまでの力量を求めるのは無謀だったようで。やっぱり白鳥のジュンがパープルのジュンになってしまったのはいただけない。なんでこんなダッサイ色にしたんだろ?と思ってたら、ゴーリキが「私だってこんな酷いスーツを着て戦っているのよ!」と至極真っ当なことを言ってくるので「うん、全くその通りだ」と思わず頷いちゃった。にひひ


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ミスキャストといえば、岸谷五朗の南部博士もどうしてもヘタなパロディにしか見えず、申し訳ないけど、彼が映るたびに笑えてくるんですよ。妙に浮いてるんだよねえ。あと“カークランド”感ゼロな光石研。光石さんも演じるのが大変だったんでしょうね、「もうこんなアホくさい役はやってらんね!」ということで最後は爆死されました。合掌。にひひ


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キャタローラー戦では『バトルシップ』よろしくな展開になって、本作の数少ない燃えどころシーンなんだけど、人類の武器ではギャラクターには全く効かないって言ってるのに銃で応戦するバカが出てきたりして、そういうところがノイズになっちゃって萎えるんです。

白組によるCGは健闘しているとは思うけど、デジタルガッチャマンがビルを駆けるアクロバティックなアクションはCG感丸出しで、重みが全くない。重力を無視したCGはやっぱりウソっぽい。同じ日に本作とハシゴして観た『マン・オブ・スティール』でも全く同じシーンがあったけど、あっちは“宇宙人”なので重力完全無視の動きは容認できるし、しかもあっちはアスファルトがめくれたりとか芸が細かいし、ちゃんと“重量感”を表現できている。それができているのとそうでないのとでは、同じCGでも雲泥の差がある。そりゃ製作費の違いもあるけど。
気になったのは、CGアクションの時は超人的な動きなのに、生身の俳優のアクションになると急にもっさい感じになるとこ。この“落差”もヒドかった。ガーン


このキャタローラー戦での一番の問題は、あんなごっついマシーンが街中を暴走しているのに、切迫した感じが全然伝わってこないんですよ。さっきまであんなにいた人が急にいなくなっちゃうので、むしろそっちの方が気になったりね。

で、キャタローラーの動きを止めようと内部で1人奮闘してたジュンも、結局、力技で解決!という拍子抜けにも甚だしい“逃げ”でここでの見せ場は終了。そういうアクション演出は全然こだわり抜かれてないのに、ドクロベエの人形を出して「おしおきだべえ~」とシャレで出してくる心底くだらないお遊びが、また神経を逆撫でしやがる。「ざけんなよっ!」と思わず声にしちゃいましたよ。プンプン


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劇中、最大の爆笑ポイントは、イリヤを確保するためにメンバーがパーティ会場に潜入する場面。
手形認証でスッタモンダする展開がムダに長いうえに、この一連のシーンを観た人なら絶対に思うこと、いいですか、せーの「準備してから行けよ!」。にひひ 
日本映画がハリウッド映画を形から入ってマネすると超絶的にダサくなっちゃうよね、という典型的な失敗例。そもそもガッチャマンという身分を隠す必要があったのかもナゾで、バットマンやスーパーマンみたいに素性を知られてはいけない、という設定とか特になかったよね? 世界を守るガッチャマンだったら、どこでも誰でもウェルカムでしょ?


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ひと仕事を終えたメンバーがISOの基地でヒマな学生みたいに駄話をしている演出もドイヒーだったけど、それよりもちょっとシャレた美容室にしか見えない部屋の質素すぎるデザインは、製作費が回ってこなかったんでしょうか?“手抜き感”アリアリです。



脚本もテキトーすぎてドイヒー。とにかく、色んなところに矛盾とツッコミがありすぎて、何度も思考回路が停止しました。プンプンガーンショック!


ファンが一番怒ってるのは、鳥の設定をナシにしちゃったこと。それこそ「ガッチャマンでなくてもよくね?」。クモ男じゃないスパイダーマン、コウモリ男じゃないバットマンなんて誰が見たいよ!?


竜がガッチャマンをやめたいというエピソードもいつの間にかどーでもいいことになってるし、誰もが指摘しているところでは、健が「俺は1千万人を助けるために1人の命を犠牲にするという考え方を否定する!」とヌカしておいて、その後の場面でナオミをあっさり殺しちゃうところね。思わず「オメー、ブレすぎだろっ!」と1人でツッコんでましたから。やっぱり1人劇場はいいっ! ボクが監督ならあんな説明的で歯の浮いたようなセリフは脚本の段階でまずカットです。あと、ナオミの最期のセリフがこれまたヒドイんだ・・・。ホント、顔から火が出そうになったぜショック!


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とにかく、登場人物が自分の心情を全部セリフで吐露してくれる、日本映画に多い<心情コメンタリー映画>だったのでおかげで頭を使わずに済みました。ぶっちゃけ、映像を見なくても話分かります。ま、それ以前に展開的にもグダグダだったので、観ているこっちの脳みそが爆発寸前でしたけど。ショック!


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あと、非常時に人物が必要以上にモタモタしている場面が多すぎっ。プンプン
ジョーと脱走したベルクカッツェ=ナオミのチンタラした説明的な会話はすっごい長くて本当にウンザリ。しかもこのシーンの警備のヒドさには開いた口が塞がりません。
で、まさに今、世界中が攻撃されようとしている緊急時にメンバー同士がしょーもないケンカを始める始末。あと30分で世界が滅亡するのにチンタラケンカしてる場合ですか~!? 特にジュンが健にキレる理由が全く意味不明すぎて、もう何がなんやら・・・・。このシーン、何度観ても意味が分かりません。
後にジュンが「私、狂ってる・・・・」って気づくだけまだマシなのかも。てか、南部博士、オメー、黙って見てないで注意しろよっ!なんですよ。


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東京攻撃数分前だというのに、健が「俺は1千万人を~(以下略)」をチンタラほざいてたり、健とジョーのさむ~い友情劇が始まったりと、とにかく「とっとと次進めろよ!」で、ボクは観ながらずっと指を回しっぱなしで「巻きで!」をしてましたよ。ショック! 特にクライマックスの東京攻撃シーンでは「攻撃まであと6分」とカウントダウンしてるのに、リアルタイムに10分ぐらい過ぎてました。作り手は時間の管理もちゃんとできないようです。

むしろ、友情がどーたらこーたら言ってる間に東京が壊滅しちゃいました、「アリャアリャ~っ」みたいな「おはよう忍者隊ガッチャマン」的な展開にしてた方がずっと面白かったんじゃね? この映画、中途半端にシリアスで、でもバカに徹する勇気もないというね。


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回想シーンが何度も挟み込まれる演出もブサイクで、しかも同じようなシーンが何回も出てくるので話の推進力がガクンと落ちちゃうんです(元から推進力なんてありませんが)。
『カイジ』シリーズでもそうだったけど、チンタラしてて展開はチョー間延びしてるし、演出がトリハダ級にカッコよくない。ホント、TVドラマみたいなチープな演出の連続。このダッサイ演出は佐藤監督の“お家芸”なんでしょうか。いや、日本映画に蔓延する病魔ですね、こりゃ。プンプン



論理的におかしい部分も目立つし、倫理的にムカつかせるところも多い。もっともっと脚本をブラッシュアップしなきゃいけないのに、諸悪の根源=佐藤監督が調子こいて途中から口を挟んできて色々と設定が変わっていったようで。こういうダメダメ映画こそスクリプト・ドクターを雇えよ、と思います。


脚本は早稲田出身の渡辺雄介という人が書いているんだけど、この人も日テレの仕事が多く、過去には『20世紀少年』トリロジーの共同脚本や『GANTZ』2部作といった<原作クラッシャー映画>も担当。なるほどねー。この人、原作をドラマ化、映画化するための<さばき方>や<まとめ処理>があまり上手くない気がする。もっと原作の魅力を活かせる人に書いてほしかった。



そもそもね、メイン的なアクションが冒頭とクライマックスにしかないってどーなのよ? 中盤にもハイライト的な見せ場を持ってきなさいよ。それ以外は「ガッチャマンなんてヤダ」とメンバーがグチってるか、ジュンがコイバナにうつつを抜かしているか、チンタラした回想シーンか、登場人物の長ったるしい説明描写ぐらいしかないので、冗長感もハンパないです。


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エンドクレジット後にはジョーがギャラクター化しちゃう続編を意識したクソどーでもいいオマケシーンがあって、それがまたムカつかせる。ホント、この映画、最後の最後までムカつかせてくれますね。ある意味、期待を裏切ってくれないんだけど。こんなグダグダな映画を作っておいて、もし続編を作ることになったら逆にホメてあげますよ。


「製作費80億円」という情報はどうやら週刊誌がテキトーに書いた数字なので100%ガセでしょう。第一、日本映画で絶対ペイできる数字じゃないし、逆にこんな貧弱SF映画のどこに80億円もかかったのか聞きたい。ま、宣伝費込みでせいぜい10~15億てとこでしょう。結局、大赤字確定なので続編はまず無理だろうけど。


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悪をくじくガッチャマンの痛快なアクションを見たくて劇場に足を運んでいるのに、三角関係にウジウジしているようなどーでもいいゴタゴタ話を見せられているこっちの身にもなってほしいもんです。ショック! 作り手に問いたい。本当にこんな『ガッチャマン』を見せたいと思って作ったんですか? 一体、誰に見せたいんですか? 客をナメすぎです。ドクロ
どんなクソ脚本でも監督の演出が良かったら、もうちょっとコマシな映画にもなり得たんだけど、演出もドイヒーなので、脚本ドイヒー×演出ドイヒー=MAXドイヒーなウ○コ映画が出来あがってしまったワケです。



アメリカでも日本でもヒーローアクション映画が次々に作られ、演出的、技術的にどんどん進化、上達していっている2013年の今のこの時代、どうしてこんなウ○コ映画を作ることができるのか、そこが一番のナゾ。『デビルマン』ほどの超絶的な破壊力があったら10年後にはカルト作として再評価されているかもしれないけど、こんな全部テキトーに作ったような作品は1年後にも残りませんヨ。


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『ガッチャマン』の実写映画という一世一代のチャンスをすべて台無しにした以下の人間は万死に値します。モスコーンに撃たれて一回死んだ方がいい。にひひ


1.三池監督の忠告を無視し、浅はかな企画でゴーサインを出したタツノコプロと日活の関係者
2.大作の演出経験のない映画監督という仮面をかぶったボンクラテレビ演出家に監督を任せた日テレ関係者
3.大した演出力もないくせに仕事を引き受けた佐藤監督
4.原作を大きく改変したどころか全く意味不明な中二病話にした脚本家
5.ただのコスプレにしか見えない衣装を作ったデザイナー



これなら同時上映されたショートアニメ『劇場版 おはよう忍者隊ガッチャマン』のほうが正直面白かった。いや、冷やかしでも何でもなく本気でそう思った。声を出して笑った個所もあったしね。


ジョーの最後のセリフを借りて言うなら、この映画はこういうことです。「またくだらない映画作りやがって・・・・こいつら最低だ!」プンプン
もしくは「『俺は1千万人を助けるために1人の命を犠牲にするという考え方を否定する!』という悪寒が走るセリフが平然と出てくるような映画をオレは否定する!」ですかね。にひひ



「オレ、アメコミ映画が好きなんっすよ!」とか「今回の『ガッチャマン』は『スター・ウォーズ エピソード4』なんです! 描かれていない設定がいっぱいあるんですよねーっ!」と、恥ずかしげもなくそんなことが言える志の低い人じゃなくて、本気で『ガッチャマン』を愛している人、本気で『ガッチャマン』をカッコよく魅せることができる真のクリエイターに任せるべきだった。
だから10年後ぐらいにマジメにリブート版を作るとかね。もちろん『ダークナイト』級の演出力をもった日本人監督がいて、『アベンジャーズ』級の製作態勢が整ったという前提ありきですが。ま、今の日本映画の体力じゃ10年では無理かも。


とりあえず、日テレは当分映画作るの、やめれ。プンプン



グッド!ココGOOD!  キャタローラー戦/『劇場版 おはよう忍者隊ガッチャマン』のほうが面白い
爆弾ココBOMB!  佐藤監督のテレビドラマ臭い演出/全く意味不明&矛盾だらけの脚本/説明的なセリフだらけ/明らかに不要な三角関係エピソード/ゴーリキの浮いた存在/白鳥ジュンの改悪/岸谷五朗/光石研/重みのないCGクオリティ/しょーもないタツノコ・ギャグ/失笑するだけのパーティ会場シーン/ISO基地の安っぽいセット/安っぽいコスチューム/悪寒の走るセリフの数々/チンタラモタモタした鈍重演出/タイムリミット感ゼロなクライマックス/無駄に多い回想シーン/エンドクレジット後のどーでもいいオマケシーン/コレを企画したやつ




『ガッチャマン』 20点


●満足度料金/500円 プンプン




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