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シネトーク158『アイアンマン3』●アイアンマンが“ライジング”するフィナーレに相応しい傑作

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白い映画には愛を捧げラブラブ! そうでない映画には鉄槌を下すグー
たいむぽっかん
ぶっちゃけCINE TALK!!!

●今日のちょい気になることシネ言

「さらば○○○」とか「さよなら○○○」という宣伝に何度騙されたことか(本作のことじゃないよ)




シネトーク158
『アイアンマン3』 (IMAX 3D)
IRON MAN 3





監督・脚本:シェーン・ブラック 脚本:ドリュー・ピアース 製作総指揮:ジョン・ファヴロー 他
出演:ロバート・ダウニー・Jr/グウィネス・パルトロー/ドン・チードル/ガイ・ピアース/レベッカ・ホール/ジェームズ・バッジ・デール/ジョン・ファヴロー/ウィリアム・サドラー/ベン・キングズレー


2012年米/マーベル・スタジオ=パラマウント/130分/シネマスコープサイズ/3D/ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン配給(2013年4月26日公開)



●作品解説
ロバート・ダウニー・Jrの当たり役となったアイアンマンの活躍を描く大ヒット・シリーズ第3弾。
アベンジャーズの戦いから1年。あの戦いの影響で深い傷を負ったトニー・スタークはパニック障害を起こしながらも新型のアイアンマン・スーツの開発に没頭していた。そんな中、マンダリンと名乗る謎のテロ組織
がアメリカで無差別攻撃を行ない、そのテロに巻き込まれた親友ホーガンが重傷を負う。さらに組織による襲撃でトニー邸は破壊され、マーク42のアイアンマン・スーツで脱出したトニーだったが多くのものを失い、窮地に追い込まれる。




※ネタバレしてます! ご注意を!




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中国資本が足を引っ張って、あるキャラの設定変更に大いなる違和感



本当なら日本が得意とする超合金スーツ・ヒーローものを『ロボコップ』でハリウッドがうまいように“パクり”、日本の特撮ヒーローもので育ってきた我々をトリコにした。しかし、『ロボコップ3』の尻すぼみでシリーズが終了し、ハリウッドでしばらく超合金ヒーローが不在になったところに、豪快に姿を現したのが『アイアンマン』(08)だった。その直球かつ<鉄板級>な面白さに「畜生、またハリウッドがやりやがったぜ」と嬉しくなったのと同時に、「いい加減、日本も本気でやれよ!」と羨ましいと同時に悔しく思ったり・・・・・。やっぱ、ハリウッドって他からアイデアを拝借して<元祖>以上に面白くして調理するのがすっごい上手いわ、ホント。


2年後に公開された『アイアンマン2』(10)は『レスラー』で見事に返り咲いたミッキー・ロークがヴィラン(悪役)をやる!と聞かされたらそりゃ期待するわけで、かなりアゲアゲ状態で観に行ったけど、ミッキーが大暴れするのはレース場ぐらいで、それ以外はクライマックスまでずっとドローン軍団をせっせと作ってるだけという、見せ場が意外と少なかったことが大いに不満だったのと、トニーが自暴自棄になって泥酔したり、父親との確執に葛藤してウジウジしてるところばかり見せられたり、話として全く弾んでこず、1作目のようなカタルシスはほとんど得られなかった。いかんせん『アベンジャーズ』のために作られた続編という感じで、正直、芳しい出来とは言えなかった。シラー


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『アイアンマン2』が『アベンジャーズ』のために作られた続編なら、今回は『アベンジャーズ1.5』とも言うべき続編的な位置づけで作られている。つまり「『アイアンマン3』を観るということは、当然『アベンジャーズ』も観てるよね?」という前提のもとで作られているワケです。
『アベンジャーズ』での戦いから1年後を設定にした話だし、あの熾烈な戦いで大きなダメージを負ったトニー・スタークの“再起ストーリー”にもなっているから、
『アベンジャーズ』を観ないで『アイアンマン3』を観るのは正直あまりオススメしませぬ。



で、マーベル・シネマティック・ユニバース“フェーズ2”(『アイアンマン3』から『アベンジャーズ2』までの5作品)の記念すべき第1作となる『アイアンマン3』はどうだったか。
意外な中だるみでもうちょっとタイトにできたんじゃないか?と思わなくもなかった『アベンジャーズ』よりも、今回の『アイアンマン3』のほうがすっごい面白く感じられましたよっ!ラブラブ!


シリーズ最高傑作!とまでは言わないけど、2作目でテンションが大きく下がった分、1作目と同等のクオリティを取り戻してくれたのが何よりも嬉しい。見事に息を吹き返してくれた(一応の)フィナーレ作に仕上がっていると思う。グッド!


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とはいえ、最初に公開された予告編を観て、「全てを失ったトニーの再起」を思わせるちょいダークなストーリーは、まんま『ダークナイト ライジング』じゃねーか!と思ったり。前作ではアーク・リアクターの影響で体内に毒素が回って死にかけのトニーだったが、その毒素問題を解決したかと思いきや、今度は『アベンジャーズ』での戦いの影響でパニック障害の発作を患っており、すっかりバットマンやスパイダーマンと同<悩めるヒーロー>の仲間入りをしちゃっている。ショック!


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ウジウジくんの陰気臭いトニーが描かれるのかと思いきや、確かに彼の内面的なドラマ性はシリーズで最も濃くなっている感じはあるものの、そんなにしんみりするようなシリアスな作りになっているわけではないし、『アイアンマン』シリーズの魅力でもある快活的なアクションは忘れてはいない。むしろ2作目のトニーのほうがウジウジしててイライラさせられた部分が多かった。



親友のホーガンが重傷を負ったことを知ったトニーが怒りにまかせて自分の住所をさらけ出し、「俺と勝負しろ!」と宣言したかと思いきや、呆気なく武装ヘリに豪邸を木っ端微塵にされちゃうシーンは、思わず「ギャグかよ?」とツッコミたくなったけどにひひ、トニー邸がメチャクチャになるのは毎回のお約束だしね。


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予測できなかった(てか、予測してなかっただけ)敵の攻撃にさすがのトニーも苦戦。アイアン・スーツもイカれてしまい、裸一貫からの出直しを強いられる。つまりゼロからのスタート、原点に立ち戻っているわけです。
パワードスーツがバージョンアップしていくのもこのシリーズの醍醐味。いよいよ遠隔操作でスーツのパーツが飛んできて自動装着するところまで進化。トニー邸が襲撃された時にペッパーを守ったり、敵に捕まった
トニーが脱出に成功したり(パーツが一気に全部揃わないところがまた面白い)と、この遠隔操作機能を駆使したシーンも実にカッコイイ。クライマックスでも飛びながら装着したり、この遠隔操作が大いに活かされるわけです(『アベンジャーズ』でもジャンピング装着してたけどね)。


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なので前半は、トニーの苦悩と再生のドラマと、圧倒的有利な戦力をもつ敵の戦略が描かれ、それほどアクション・シーンが多いわけではない。その燻りをクライマックスの一大バトルで一気に燃やしてくれるメラメラ展開どこか『ダークナイト ライジング』と似てます。


クライマックス直前のスカイダイビング・アクションも結構スリリングなシーンに仕上がってて、てっきりCG合成でやってるのかと思いきや、本当に撮影しているというからオドロキ。叫び 吹き飛ばされる人は全員プロのスカイダイバーで、撮影のために10回も飛び降りたという。さすがっ! 「アイアンマン、イエーイ!」と喝さいを送る間もなくトラックと正面衝突し、バラバラになってしまうところは笑っちゃいましたが(実はトニーが遠隔操作してたっというオチもなかなかよろしくてよ)。


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ストーリーにアクセントをつけている要素としては、トニーが途中で出会う少年ハーレイの存在。大人のコミックヒーロー映画に子供が絡んでくると「あまり面白くならない」ことが多いんだけど、ハーレイとトニーの<疑似親子的な掛け合い>が前半部を退屈させてないところがいい。ニコニコ ところで少年が持ってるポテトガンって日本でも売ってるの?



トニーの親友ローディは、キャプテン・アメリカふうなアイアン・スーツを着てアイアン・パトリオットとして、お国の平和のために活動中。にもかかわらず、アイアン・パトリオットとしてバトってるシーンがほとんどなかったのは、どう考えてもモッタイナイでしょ!ショック! 

トニーが最大のピンチを迎えているのに、自分も敵に捕まって、挙句の果てにはスーツを奪われちゃうという、見せ場らしい見せ場がほとんどないのはファンとしてどーなんだ? しまいには大統領がアイアン・パトリオットになってるし。ショック!


前作でウォーマシン化したローディが活躍しすぎ!とか、トニーとローディのやりすぎなホモセクシャルはどーよ、といったファンからの指摘に遠慮しているとしか思えんのだが・・・・。
次回作『アベンジャーズ2』でローディもメンバー入りして活躍するから今回は大人しかった・・・・・のかな? コレについてはドン・チードル本人も「なぜ僕がアベンジャーズ入りできなかったのか理解できない」と冗
談交じりに不満をこぼしてるようです。にひひ


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もう一人の親友ハッピー・ホーガンなんて途中から病院のベッドで寝てるだけというね。全然ハッピーじゃないし。ショック! どうせならファヴローは今回は監督してないんだから、彼もパワードスーツを装着して活躍するシーンとか入れてほしかった。てっきりボクは、アイアンマン軍団の中にいた、でっかい<マーク38 イゴール手>がハッピーかと思ったけどね。だって彼の体型に合うパワードスーツはアレしかないでしょ?にひひ


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1作目ではアイアンモンガーにキャーキャー叫んでるだけで、2作目ではブラックウィドウに見せ場を持ってかれた、トニーの恋人ペッパー・ポッツは、今回、アイアンマン以上の活躍を見せてくれます予告編でもネタバレしてたように、ついに彼女もパワードスーツを身につける瞬間がくるわけで、そのシーンはペッパーを助けるための防御策だったわけだけど、でもそのおかげでトニーも彼女に助けられたり。「私があなたを守るわ」のこの場面がクライマックスの伏線になっているのがうまい。グッド! ちなみに原作では、ペッパー専用のパワードスーツがちゃんとあるので、ファンの間ではいつ彼女がスーツを装着するのかと、密かに期待されていたらしい。


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ま、それよりもクライマックスではペッパーがドエライことになってしまう壮絶な展開が待ち受けているわけで。キリアンによってエクストリミス化されてしまい、まさしく“燃える女メラメラとしてトニーを絶体絶命のピンチから救うシーンはもうグッド!グッド!グッド!でしたなあ。コーフンしちゃったぞ。ここまで人間離れした特殊能力を身につけたらペッパーもアベンジャーズ入りできるんじゃね?とか思ったりね。にひひ
ただ、このシーンで男性なら誰もが思ったのは、火の海に飛び込んでも「ブラはなぜか燃えないのね~」ってね。ショック! ここいらでグウィネスにはファンサービス用に、ぷりーんっ!とオッパイをさらけ出してほしか
ったなりよ(ディズニー映画でできるか、ボケエグー)。


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しかし、エクストリミス化した者がみんなゴーストライダー(もしくは『ゴーストハンターズ』のロウ・パン手)のように“バーン(燃える)人間メラメラになっちゃう、このエクストリミスという設定には個人的に違和感あるなあと眉をひそめてたらむっ原作の傑作エピソード とされる部分を引用したものらしい。ショック! ファンの間では「ついにこのエピソードが映画化されるのか!」と待望だったようです。無知でスマソ。


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ただね、今作の最大の問題点はヴィランです。ドクロ
キリアンが無敵のエクストリミス野郎になって、ターミネーターばりにアイアンマンを苦しめるところはなかなかイイ感じなのだが、原作ファンが一番ガッカリしたのは、やっぱりマンダリンのキャ
ラ改変でしょうな。ショック!


原作では、このマンダリンという男はアイアンマン最大の敵、つまりスーパーマンでいうレックス・ルーサー、バットマンでいうジョーカー的ないわば真打ち的なキャラであり、10の指輪を手に入れてさまざまな力を有してアイアンマンを苦しめてきた強大な存在・・・・・なのだそうだが、映画版では実は何の力もない女好きのタダのオッサンに変えられており、キリアンの操り人形だったと正体を明かされた時は、イスから転げ落ちそうになったヨ。ショック!ショック!ショック! 原作通り、しっかりと全部の指に指輪をハメてるのに、それも何ら関係ないというね。 


原作を知らない人は「ふーん、あっそ」ぐらいの印象しかないんだろうけど、でもコレって、ジョーカーが実は犯罪者でもなんでもない無力なボンクラオヤジだった!と言ってるようなもんです。ま、ベン・キングズレーのファニーな存在感に助けられていることもあり、ボクは原作ファンほどこの改変にはムカついてないですが、熱烈なファンからしてみれば「そりゃねーだろ!ガーン」なんでしょうね。


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なぜこんな明らかに不自然な改変がされたのか。それは本作が中国資本映画だからです。


マンダリンは原作では中国人の悪党という設定で、さすがに中国に気を使うハリウッドはこういう改変をせざるを得なかったのでしょうな。

最近では『若き勇者たち』のリメイク版でも、ハリウッドの映画会社に多額な資本を提供している中国に気を使って、劇中の敵国を中国から北朝鮮にCGで全部変えたという、なんとも情けない裏事情が明らかになったばかり。今後、中国をワルモノ扱いするハリウッド映画は激減してくるんでしょうな。なんかそれって違うような気がするんだが・・・・・。シラー


それとは別にしても、ヴィランのインパクトとしては、1作目のアイアンモンガー、2作目のウィップラッシュに比べたら大きく後退していると言わざるを得ない。敵の数で攻めるというわけじゃないけど、やっぱりシリーズ最終作ならボスキャラは2人ぐらい用意してくれないと、観てるこっちはあまり燃えません。



パワードスーツを着ていないトニーとキリアンの最終決戦が盛り上げに欠けると批判している人もいるけど、ボクはむしろこの展開で正解だったと思う。というのも、物語の前半でトニーはペッパーから「あなたはアイアンマンのスーツに依存しているわ」と指摘されたことに対するトニーなりの答えだったのではないか。スーツを着ていなくても、トニーには助けてくれる仲間がいる=それはペッパーであり、ローディであり、そしてアイアンマン軍団であったりにひひあのクライマックスで前半の伏線をきちんと回収しているのです。


で、そのあと、トニーがアイアンマン軍団を全部自爆させて「花火」に見立てるシーンにも色々な意見があるようだけど、これも彼のスーツ依存を断ち切る見事なエンディングだと思いましたよ。グッド! この場面もブルースがバットマンという呪縛から解放される『ダークナイト ライジング』のエンディングとちょっとダブったりね。うん、美しい・・・・・。



今回は鉄と鉄がぶつかり合う<アイアンバトル>がない代わりに、物量作戦で攻めてくる。
破壊されたトニー邸の地下に密かに保管してあった<アイアンマン軍団>はしっかり無事だった、というご都合主義な部分は、普通だったら「ざけんなよ、なんだよソレプンプン」と怒りたくなるけど、そういうところも『ア
イアンマン』らしくて、なぜか許せちゃうというね。

<アイアン軍団大集合!>のシーンは予告編でもしっかりネタバレしてたので、「切り札がまだあるんでしょ?」という一種の安堵感があるわけで、トニーが大ピンチを迎えても、そんなに危機感が漂ってこないのも『アイアンマン』の魅力かもしれません。

ただ、事前情報で大量のアイアンマンが出てくることは知っていたが、予告編でそのシーンがネタバレしてなかったら、このアイアンマン軍団大集合シーンで「うおお! スゲーーっ!」ともっとコーフンできたんだろうなあ、とか思ったのも事実。とはいえ、盛りに盛られた軍団バトルはやっぱり燃えるし、予告編で分かってたとはいえ、クライマックスの面白さが半減することはないです。やっぱ『アイアンマン』はこうでなくちゃ!というのを監督はよく分かってるし、ファンが見たいものをちゃんと見せてくれてる。グッド!


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自宅を失い、パワードスーツを失っても、頭の中の知識だけは誰にも奪うことはできない。「私がアイアンマンだ」と1作目と同じセリフで終わる演出も上手い。グッド!


ただ、副大統領の娘のエピソードとか、ドクター・ウーのお話(←これも中国資本へのサービス・シーン)とか、ちょっと余計なサブ・エピソードも入れすぎで、正直「この話、いる?」感があったのも否めない。色んな諸事情があったとはいえ、もうちょっとエピソードを整理整頓してくれたほうが話に没頭しやすかったと思ったけどね。



そういえば、劇場を出る時、あるカップルが「アベンジャーズが助けに来たら済んだ話じゃね?」とドヤ顔でボヤいてやがったが、ボクは心の中で「フフフ、そういう考えは浅はかというものだ。アベンジャーズが来なかったのは・・・・アイアンマンが独り立ちするための戦いだからなのだ! そういう戦いに他の者が手を出してはならぬのだ!」と、したり顔でニヤついている自分にちょっと気持ち悪くなったり・・・・。にひひ



今回、カッコイイと思ったのが音楽。3作とも作曲家がそれぞれ違うし、これまでアイアンマンらしいテーマ曲がなかったので、音楽についてはいつもコレといった印象がなかった。しかし、ブライアン・タイラーが手掛けた今回のスコアは、本来のヒーロー・アクションらしい音楽で盛り上げてくれる。特にちょっとレトロな感じを思わせるエンドクレジットはシリーズ最高の出来。 ああいうテンションを上げてくれる終わり方をしてくれたら、それまでの多少の不満も帳消しにできちゃいますわ。

エンドクレジット後にはお約束の<お楽しみシーン>があり、“彼”が出てくるので、とっと帰らない方がいいですヨ。



ジョン・ファヴローに代わってメガホンを取るのはシェーン・ブラック
05年の『キスキス,バンバン』以来の監督2作目で、ロバート・ダウニー・Jrとも2度目のタッグ作。これもクライム・コメディとしてはなかなか面白い秀作だった。

とはいえ、アクション映画の監督未経験のブラックにメガホンが託されたワケは、実は『アイアンマン』1、2作目の時にファヴロー監督に脚本のアドバイスをしていた関係もあったからだとか(しかもノーギャラ&ノンクレジット)。

それ以前に、ブラックは『リーサル・ウェポン』1、2や、『ドラキュリア』『ラスト・ボーイスカウト』『ラスト・アクション・ヒーロー』『ロング・キス・グッドナイト』といった映画ファンを唸らせる脚本を手掛けてきたことでも知られる。途中、ハリウッドから干されたスランプ時期もあったので、そんなに多作な人ではないのだが、ボクも彼が書いた脚本は好きで、特に『リーサル・ウェポン』と『ラスト・ボーイスカウト』の粋なキャラ造形とか気取ったセリフが素晴らしい。俳優としては、『プレデター』で一番最初にプレデターに殺されちゃうメガネをかけた秀才タイプのコマンドー隊員を演じてます。
監督次回作はハリウッド・リメイク版『デス・ノート』 らしいから、これもどう“調理”してくれるのか楽しみ。



ところで今回は、先述したように中国企業のDMGが多額の資本を提供しているため、中国向けバージョンも特別に製作されている。 中国人医師ドクター・ウーがトニー・スタークを治療するという重要な役どころが与えられ、人気女優ファン・ビンビンも“出資御礼”出演。しかしドクター・ウーを演じたワン・シュエチーは完成品を観てたった2シーンしかなく、「思っていたのと違う」と不満タラタラらしい。 こんなメンドくさいしがらみがあるんだったら中国出資も断ったらいいのに、と思わず他人事のように考えてしまうが、製作費がノドから手が出るほど欲しいハリウッドは「出資者」にはやっぱり逆らえない。今やアメリカ以外でハリウッド映画を最も観ている国は、日本を抜いて中国がダントツの1位なので、「中国サマサマ」なのだろう。我が国もどんどん出資したり募ったりすればいいのに、世界に飛び出す勇気のない日本は無理なんだろうねえ(ま、そういう体力もないし)。


しかし、この中国公開版に対して中国の観客の反応はどうかというと、「なにこれ?」とシラケムードらしい。露骨に中国に媚を売ったバージョンに真っ当な映画ファンからは不評のようで。仮に日本バージョンを特別に作りました!と言われて、日本のアイドル女優が画面に大写しになったらシラケちゃいますわな。


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日本では「さらば、アイアンマン」と完結編を匂わせる宣伝コピーが使われているけど、ちゃんとフィナーレ的な展開になってますからね、少なくともウソではありません。とかいいつつ、「Tony Stark will return」とクレジットされちゃってるけど・・・。にひひ
ロバート・ダウニー・Jrはマーベルと新たに契約したようで、そこには『アベンジャーズ2』『アベンジャーズ3』は含まれているが、『アイアンマン4』は入ってないらしい。とはいえ、現在までに世界興収9億
8400万ドルというシリーズダントツの成績を叩き出しているだけに、マーベルの社長は「007のような息の長いシリーズにしていきたい」とさらなるシリーズ化を狙ってるようで、やっぱりそう簡単に終わらせるつもりはないようだ。


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シリーズ初の3Dは悪くないクオリティで、やっぱりクライマックスの軍団戦は3Dで堪能したいところ。ただ、今回、3D上映館では日本語吹替オンリーが多すぎて萎える。3D字幕版ももっと上映してほしい。本作の日本語吹替は安タレントを起用したボンクラな吹き替えではないにしろ、やっぱりボクは字幕派。日本語吹替で観るのはディズニーアニメぐらいにとどめておきたい。




グッド!ココGOOD! 1作目と同じぐらいに面白い!/ペッパー、大活躍!/トニー邸の破壊シーン/原点に立ち戻ったストーリー/遠隔操作でスーツと合体!/ハーレイ少年/お茶目なベン・キングズレー/クライマックスのアイアンマン軍団バトル!/音楽とエンド・クレジット/そこそこの3Dクオリティ/パンフレットの出来
爆弾ココBOMB! マンダリンのキャラ改変/アイアン・パトリオットがほとんど活躍しない/ハッピー・ホーガン、途中から出番なし/不要なサブ・エピソードが多い/3D字幕上映が少なすぎる







『アイアンマン3 85点


●満足度料金/1400円 (IMAX) ラブラブ!







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